日立製作所(日立)とアフラックは、がんの早期発見・早期治療社会の構築に向けた協創を開始することを発表した。日立が有する尿中代謝物によるがんの識別技術の活用方法、およびがんの早期発見・早期治療を促進する新しい保険商品・サービスの創出に向けた検討を行うことで、より健康で豊かな社会への貢献をめざす。

現在、がんは日本における死因の第1位で、生涯のうち約2人に1人が罹患する。早期発見での治癒率が高いことから、厚生労働省の「がん対策推進基本計画」の施策では、がん検診の受診が促されている。しかし「受ける時間がない」「検査に伴う苦痛に不安がある」といった理由から、日本のがん検診の受診率は約30%~50%に留まっている。

アフラックは、日本初のがん保険を発売した保険会社として、これまで多くのがんと闘う患者を応援してきた。日立は、尿中代謝物の解析によりがんを早期発見する技術の研究にいち早く取り組み、誰もが簡便にがん検査を受けることができる技術の確立を目指している。

今回、両社は、国内で多くのがん保険契約件数を有するアフラックのがんに関する豊富なデータや知見と、日立が研究を進める尿中代謝物によるがん患者の識別技術や日立独自のサービスデザイン手法である「NEXPERIENCE(ネクスペリエンス)」、アナリティクス技術などの先端ITを組み合わせて、がんの早期発見・早期治療社会の構築に向けた協創を開始する。

具体的には、尿中代謝物によるがんの識別技術の向上に向けた検討、がんの早期発見・早期治療社会の構築に向けたがんの識別技術の活用方法を検討、新しい保険商品・サービスの創出に向けた検討といった取り組みが行われる。

両社は、今回の協創を通して、人々の健康意識を高め医療機関でのがん検診の受診率向上をめざすとしている。