米Gartnerは7月12日(米国時間)、2017年第2四半期(4-6月期)におけるPC出荷台数が前年同期比4.3%減の6110万台となったとの速報値を発表した。これにより、PCの出荷台数は11四半期連続での減少となり、6110万台という数値は、四半期ベースの統計では、2007年以来10年ぶりとなる低さになるという。

半導体メモリの価格高騰がPCの売り上げにも影響

Gartnerのプリンシパルアナリストである北川美佳子氏は「NANDを用いたSSDのほか、DRAMや液晶パネルなどの部材が供給不足に陥っており、その影響からPCの価格も高騰した結果、同四半期の需要に悪い影響を及ぼした」との分析を述べている。

また、「部材価格の高騰に対する対策はベンダによって異なっている。ベンダによっては、PCの価格を値上げしないように部材の値上げ分を利益を減らして吸収することを決めたところもあれば、部材値上げ分をそのままPC価格に転嫁したベンダもある」ともするが、業務用PC分野では、いずれのベンダも価格を急に引き上げることができず、中でも提供価格が長期契約に基づいて固定されている大企業では、その影響が強かったという。

出荷台数トップはLenovoではなくHP

同四半期のPC出荷台数でトップシェアを獲得したのは、ほとんどの地域で出荷数を伸ばしたHPで、中でも出荷台数の伸びが世界平均を上回る米国市場での好調さが後押しした形となった。

表1 2017年第2四半期のPCベンダ別出荷台数シェア。左から企業名、2017年第2四半期の出荷台数(単位:1000台)、同市場シェア(%)、2016年第2四半期の出荷台数、同市場シェア(%)、2017年第2四半期の前年同期比シェア増減率(%)となっている。なお、このデータには、デスクトップ、ノートPC、ウルトラモバイルPC(例えばMicrosoft Surface)を含み、CromebookやiPadは含んでいない。また、このデータは、Gartnerの初期段階における調査をもとにした推定速報値であり、最終的に変動する可能性があること、ならびにベンダから流通経路への出荷台数であり、実際に小売店で販売された台数ではないことに注意する必要がある (出所:Gartner 2017.7.)

なおLenovoの出荷台数の減少は、同社が出荷台数の増加よりも利益優先へと戦略を変更したことによるものであると北川氏は分析している。また3位のDellは、前年同期比で5四半期連続の成長を達成しているという。