ソニーは6月27日、ディープラーニング(深層学習)のプログラムを生成する際のフレームワークとなるソフトウェア「コアライブラリ」をオープンソース化したと発表した。これによりプログラムエンジニアやデザイナーは、同ソフトウェアを使用して、人工知能(AI)を実現できるディープラーニングのプログラムを開発し、各種製品やサービスに搭載できるようになる。また、オープンソース化を通じて、開発者コミュニティーによるプログラムの進化も期待されるという。
同ソフトウェアのコアは様々な環境(OSやハードウェア)で動作するプログラミング言語であるC++11で記述されており、Linux、Windowsをはじめ多くのプラットフォームで動作。また、ディープラーニング開発で主流のプログラミング言語「Python」を用いることができるので、プロトタイピングがしやすく、少ないプログラミング量で直観的にニューラルネットワークの設計が可能なため、開発者はニューラルネットワークの設計作業に集中できるとともに、より効率的に短期間、低コストでディープラーニングを用いた技術開発ができるという。
機能性としては、最新のディープラーニング手法に対応可能な柔軟性と表現力を備えており、動的なニューラルネットワークにも対応できるだけでなく、NVIDIAのGPUに対応したコアライブラリは、ニューラルネットワークの学習・実行を最速クラスのスピードで実行できる。そのため、より短い試行錯誤時間でディープラーニングを用いた技術開発ができるという。
機能の追加も簡単に行えるので、ニューラルネットワークの構成要素である関数ブロックや最適化モジュールの追加が可能だ。
また、新しいハードウェアへの移植も考慮したデザインを採用しているため、スマートフォンやIoTデバイス向けにも簡単に移植ができるという。
同ソフトウェアをベースとして、ディープラーニングを搭載した同社の製品やサービスには、Xperiaシリーズに搭載されているカメラアプリのARエフェクトや行動認識技術を採用したLifelogアプリ、不動産売買の成約価格を高精度に推定する不動産価格推定エンジンなどが挙げられる。
今回のオープンソース化を通じて、プログラムの進化に期待し、社会の発展へ貢献することを目指すとしている。