JR四国は30日、特急形気動車の新型車両2600系の完成について発表した。予讃線・土讃線・高徳線で使用される特急形気動車2000系の老朽取替えを目的に新製され、このほど2編成4両が完成。2月15日に高松運転所に到着する予定となっている。

JR四国の新型特急形気動車2600系(画像はすべてJR四国提供)

今回の発表で新型車両2600系の外部パース・室内パースと形式図も公開され、外部パースの先頭車に「2602」、形式図に「2601」「2651」の番号を確認できる。2両合計の定員は98名(Mc車46名、Mc'車52名)。最高運転速度は時速120kmとされた。

デザインコンセプトは「Neo Japonisme(ネオジャポニズム)」で、日本の伝統意匠を現代風にアレンジし、安らぎと先進性をあわせ持つ車両に。外観は四国の自然に映えるディープレッドを基調に、次世代の特急車両を吉兆の伝統配色「赤と金」で彩った。「ディープレッドのラインを筆の流れにみたて、紅墨汁のにじみのごとく、赤い色彩がステンレスボディに染み入る様をゴールドの縁取りで表現しています」とのこと。

今回完成した2600系は2両編成。連結部は「X」字型のデザインとなり、「EXPRESS 2600」のロゴが入る

客室のシートモケットは車両ごとに色が異なり、Mc車はえんじ色、Mc'車は紺色のシートに

車内はおもに横4列(2列+2列)の座席配置で、腰掛は特急形電車8600系の普通車と同タイプ。リクライニング機構を採用し、各座席にコンセント、可動式枕、ドリンクホルダー、コートフックなどを設置した。テーブルも大型化され、モバイルパソコンなどの使用に対応する。シートモケットはえんじ色(Mc車)と紺色(Mc'車)を使い分け、車両ごとに味わいの違いを楽しめる車内空間を演出。ドアやシートのアクセントに和柄をモチーフとした装飾を施し、伝統と先進性を対比・強調させるインテリアデザインとなった。

消費電力削減とメンテナンス軽減のため、客室照明にLED照明を採用。客室内に車いすスペースを用意(Mc車連結部側のドア付近)したほか、デッキ部には車いす対応多機能トイレと洋式トイレ、洗面所を設置した。多機能トイレはオストメイト対応設備、ウォシュレット、ベビーベッド、ベビーキープ、フィッティングボードなどを備える。安全性も考慮し、非常通報装置(SOSボタン)や防犯カメラを車内に設置する。