生活のために残業代目的で残業する、「生活残業」という言葉をご存じだろうか。以前実施した「残業したいですか?」「職場が残業禁止になったらいいと思いますか?」というアンケートでも、残業するのは残業代のためとする声が少なくなかった。

マイナビニュース会員304名に、ずばり生活残業したことがあるかどうか聞いてみた。

Q.「生活残業」をしたことはありますか?

はい 40.8%
いいえ 59.2%

Q.それはどうしてですか?

《生活残業したことがある》

給料が安い

・「お給料が安いから」(62歳男性/埼玉県/建設・土木/事務・企画・経営関連)
・「基本給が安すぎるから」(30歳男性/愛知県/輸送用機器/販売・サービス関連)
・「まだ基本給が低い時代に少しでもお金が欲しかったので」(47歳男性/静岡県/流通・チェーンストア/販売・サービス関連)
・「基本給だけではとても人並みの生活(中の下レベル)ができないから」(48歳男性/東京都/ビル管理・メンテナンス/技能工・運輸・設備関連)
・「給料が安くて、かつ副業禁止ということだったので、頑張りました」(38歳男性/青森県/教育/公共サービス関連)

生活が苦しい

・「お金が足りない」(25歳男性/神奈川県/建設・土木/建築・土木関連技術職)
・「通常の手当てだけでは生活が苦しくなる場面があるため」(40歳男性/山梨県/設計/技能工・運輸・設備関連)
・「家計が苦しいから」(49歳男性/大阪府/専門店(食品関連)/販売・サービス関連)

お金が必要だった

・「今の給与では貯蓄ができない」(46歳男性/東京都/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「欲しいものを買うため」(32歳男性/埼玉県/輸送用機器(自動車含む)/メカトロ関連技術職)
・「生活費を親に仕送りするため」(35歳女性/兵庫県/ソフトウェア・情報処理/事務・企画・経営関連)
・「タバコの値上がりでタバコ代を稼ぐため」(45歳男性/三重県/放送・新聞/営業関連)
・「物価も上がって生活に必要な物の値段が上がっているので、基本給と手当だけでは物価の上昇分は補えない。必要に迫られて今の生活を維持していくためにも、生活残業は必要不可欠だと思います」(49歳男性/富山県/その他/技能工・運輸・設備関連)
・「プライベートで出費が重なった時に基本給が少ないため、それでは足りなくなり残業したことがある」(30歳女性/東京都/銀行/事務・企画・経営関連)
・「ローンの返済分を残業代でカバーして乗り切りたいと思える時期がありました」(43歳男性/奈良県/専門店/販売・サービス関連)

稼ぎたい!

・「稼ぎたかった」(45歳男性/山形県/サービス(その他)/その他・専業主婦等)
・「当たり前に少しでも稼ぐため」(46歳男性/神奈川県/官公庁/公共サービス関連)
・「収入を多くし、自由に使えるお金を増やしたかった」(33歳女性/東京都/食品/事務・企画・経営関連)
・「小遣い稼ぎ」(49歳男性/千葉県/建設コンサルタント/営業関連)

その他

・「今月、厳しいなと感じたときにします」(37歳男性/大分県/医療・福祉・介護サービス/その他・専業主婦等)
・「残業ができるのなら生活のためにいつでもしたいと思っている」(44歳男性/宮崎県/食品/その他技術職)
・「ダラダラ時間を稼いでいるわけではなく、通常の業務にプラスアルファの仕事をしているだけ。それが残業という事になるんだろうけど、それは嫌々やっているわけではなく、自分のため、生活のため」(43歳男性/三重県/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)
・「生活残業している人に一緒に頼まれた」(33歳女性/兵庫県/その他/事務・企画・経営関連)
・「派遣だったため、給料だけでは少なかった。会社から残業依頼があると、私を含め皆が喜んでいた」(42歳女性/神奈川県/半導体・電子・電気機器/事務・企画・経営関連)

《生活残業したことがない》

必要ない

・「残業は無意味」(50歳男性/奈良県/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)
・「そこまで必死になって残業する必要性を感じないから」(37歳男性/北海道/インターネット関連/IT関連技術職)
・「残業しなくても生活できるので」(45歳男性/兵庫県/農林・水産/技能工・運輸・設備関連)
・「お金に困っていないから」(24歳女性/大阪府/ドラッグストア・調剤薬局/営業関連)

早く帰りたい

・「必要がなければ早く帰宅したいから」(39歳男性/大阪府/化粧品・医薬品/その他技術職)
・「ムダな時間を過ごすくらいなら1秒でも早く帰りたいタイプなので」(33歳女性/群馬県/ソフトウェア・情報処理/その他・専業主婦等)
・「極力早く帰りたいから」(29歳男性/東京都/リース・レンタル/事務・企画・経営関連)
・「収入は多いに越したことはないが、家庭も大事なので無理な残業はしない」(42歳男性/長野県/レジャーサービス・アミューズメント・アート・芸能関連/技能工・運輸・設備関連)
・「生活残業するなら、早く帰って、家族そろって夕食を食べたり、1歳と9歳の子供とお風呂に入ったり、家族と過ごしたいから」(45歳男性/長野県/システムインテグレータ/IT関連技術職)
・「人員整理をして本当に仕事が忙しく、1カ月休日出勤や残業で100時間以上の状態だから、なるべく能率よく仕事してなるべく早く帰りたいから、生活残業は無い」(43歳男性/静岡県/鉱業・金属製品・鉄鋼/技能工・運輸・設備関連)

やってはいけないと思う

・「罪悪感しかないから」(26歳女性/愛知県/その他電気・電子関連/IT関連技術職)
・「みっともないから」(37歳女性/東京都/その他電気・電子関連/事務・企画・経営関連)
・「生活のためとはいえ、残業代目的の仕事は不誠実でせこい」(63歳男性/熊本県/医療・福祉・介護サービス/事務・企画・経営関連)
・「倫理的にダメ」(45歳男性/兵庫県/百貨店/事務・企画・経営関連)
・「社会人としてそれはしてはいけないと思うから」(39歳女性/埼玉県/アウトソーシング/事務・企画・経営関連)
・「不正行為に当たると思うから」(27歳女性/東京都/繊維・アパレル/販売・サービス関連)
・「なるべく無駄な残業をせずに済ませたいから。経費削減のため」(36歳男性/新潟県/建設・土木/建築・土木関連技術職)
・「正式に認められ全うする職務でないならば不正行為だと思うので」(53歳男性/東京都/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)

もともと残業する必要がある

・「それどころではないくらいに、普通に残業が多いので……」(40歳女性/大阪府/設計/建築・土木関連技術職)
・「やるべき業務だったので生活残業ではないから」(52歳男性/栃木県/その他電気・電子関連/メカトロ関連技術職)
・「通常の残業がそこそこあるため」(46歳男性/東京都/通信関連/IT関連技術職)
・「生活残業するまでもなく、残業しないと片付かない仕事の量があった」(67歳男性/神奈川県/サービス/その他・専業主婦等)
・「それ以前に、仕事が追い付かなくて残業することで手いっぱいだったので」(56歳男性/神奈川県/その他電気・電子関連/IT関連技術職)
・「普段から業務時間が長いので、それ以上に残業しようとは思わない」(53歳男性/愛知県/建設・土木/建築・土木関連技術職)

残業できない

・「自分の都合で残業できるわけがない」(39歳男性/鳥取県/食品/技能工・運輸・設備関連)
・「残業は勝手にできるものではないので、したくてもできないです」(36歳男性/静岡県/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「残業する場合は上司に申告しないといけないので」(50歳女性/福島県/サービス(その他)/その他・専業主婦等)
・「残業代の申請しても承認がなかなかおりないから」(65歳男性/大阪府/サービス(その他)/事務・企画・経営関連)
・「勤め先は残業がないので」(46歳男性/千葉県/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「残業の上限が決まっていて、サービス残業はあるが生活のための残業はない」(61歳男性/宮城県/建設・土木/建築・土木関連技術職)
・「契約職員のため残業についての規定があり、担当上司から残業を認められていない」(31歳男性/三重県/教育/IT関連技術職)

残業代が出ない

・「月に100時間近く残業しても、残業代はでないから」(43歳女性/石川県/教育/事務・企画・経営関連)
・「残業代がつく会社ではなかったため」(38歳男性/愛知県/輸送用機器/クリエイティブ関連)
・「残業代がつかないから」(32歳女性/北海道/専門店(ファッション・服飾関連)/販売・サービス関連)

その他

・「効率よく仕事を終わらせたい」(33歳女性/東京都/精密機器/事務・企画・経営関連)
・「残業する事自体が能力欠如を表すから生理的に嫌い」(31歳男性/北海道/鉱業・金属製品・鉄鋼/販売・サービス関連)
・「残業を増やすくらいなら生活レベルを下げる方が良い」(46歳男性/北海道/官公庁/公共サービス関連)
・「生活残業という言葉自体知りませんでした」(58歳女性/埼玉県/医療用機器・医療関連/専門サービス関連)

まとめ

アンケートの結果、生活残業したことがある人は約4割。その理由は、「給料(基本給)が安い」「生活が苦しい」「お金が必要だった」「稼ぎたい」と、当たり前だが、ほぼすべて残業代がほしいというものだった。

反対に生活残業したことがない派からは、「必要ない」「早く帰りたい」など残業代にかかわらず残業自体が嫌だという声、そもそも「残業できない」「残業代が出ない」という声、残業はあるが生活のためではないという声、仕事への姿勢、経費削減の面から「やってはいけないと思う」という声などが挙がった。

調査時期: 2016年12月19日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 304人
調査方法: インターネットログイン式アンケート

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