米Appleは7日(米国時間)、スペシャルイベントを開催し、非接触型決済サービス「Apple Pay」を日本でも10月から開始すると発表した。従来のNFCに加えてFeliCaにも対応し、日本ではJR東日本の「Suica」サービスなどをサポートする。
iPhoneをかざして改札を通過可能に
Apple PayはiPhone 6と同時に登場した決済方式で、クレジットカードやプリペイドカードをiPhone側に登録しておき、店頭ではNFCを使って決済端末にiPhoneやApple Watchを近づけるだけで決済が完了するサービス。日本ではNFCに先行してFeliCa形式の決済端末が広く浸透していたことや、金融機関の協力が必要といった理由で開始が見送られていた。日本向けのiPhoneにFeliCaチップが搭載されることで、いよいよ国内でもサービスがスタートする。なお、利用には10月に配信されるソフトウェアアップデートが必要だ。
日本ではJR東日本のSuicaやNTTドコモの「iD」、JCBの「QUICPay」といった電子マネーサービスに加え、iDやQUICPayに対応したクレジットカードやプリペイドカードが使える店舗、またはiPhone内での決済サービスなどに利用できる。iPhone上でSuicaのチャージやSuica定期券の更新も可能。また、Apple PayをサポートしたiPhoneまたはApple Watchを持っている場合、MacのSafari上での決済にも使える。
Suicaの登録は、既存のSuicaカードやSuica定期券がある場合、iPhoneをカードの上に置くだけで自動的に情報が読み込まれる(読み込まれたカードは使えなくなる)。まだ持っていない場合は、SuicaアプリからApple Pay対応版のSuicaを作成できる。クレジットカードやプリペイドカードの登録については、JCB、AMEX、MasterCardを始め、3大キャリアが発行するカードを含めた主要クレジットカードに対応する。
タッチ決済で利用する場合、Suicaでは端末をタッチするだけ、iDやQUICPayではTouch IDに指を触れたまま、あるいはApple Watch Series 2でサイドボタンをダブルクリックしてからリーダーにかざすことで完了する。支払い方式によって利用方法が異なるので注意したい。
なお、端末の世代によって利用できるサービスの範囲が異なる。店舗でのタッチ決済が可能なのは、日本国内で販売されたiPhone 7、iPhone 7 Plus、ならびにApple Watch Series 2のみ。その他のiPhone 6および6s、iPad Pro、iPad Air 2、iPad mini 3および4ならびにApple Watch Series 1ではアプリおよびSafari上のウェブサイトでの決済となる。店頭でのタッチ決済や駅の自動改札を通過したい場合は、iPhone 7シリーズが必要ということだ。
なお、海外で販売されたiPhone 7にはFeliCaチップが搭載されないため、Suicaなどのタッチ決済は利用できない。海外でiPhoneを購入する人は気をつけてほしい。
Apple Japanは、「Apple Pay。iPhone 7に、まもなく到着します」と題した動画をYouTubeにアップしている |