三菱航空機は9月1日、次世代リージョナルジェット機MRJ(Mitsubishi RegionalJet)に関するWEB情報発信ツール「MRJ Newsletter」第16号にて、8月のトピックスを発表。ANAカラーの飛行試験機5号機が最終組立工場に移ったことや、エアロリース社とのMRJ90 20機購入の正式契約に触れている。
8月20日には、MRJ飛行試験機5号機が最終組立工場へ移動。技術試験・機能試験を新工場で行うために実施されたもので、これまで組み立て等を行っていた三菱重工小牧南工場第6格納庫を深夜に出発し、月明かりの中を移送となった。第6格納庫を出た機体は県営名古屋空港の敷地内を通過し、最終組立工場へ移動。途中、公道を横断するシーンもあり、周囲の安全に留意しながら移動作業を実施された。飛行試験機5号機は、引き続き各種試験を行っていく。
第15号で発表された北米へのフェリーフライトは8月27,28日に実施されたが、両日とも左右2系統ある空調システムの左舷用監視システム側の不具合により中止された。空調システム自体は正常に作動していたが、今回は北米までの長距離フライトであったため、万全を期すことにしたという。フェリーフライトは故障探究と対策の完了後、関係先と調整の上で実施を予定している。
8月31日には、米航空機リース会社のエアロリース社とMRJ90 20機(確定10機、オプション10機)の購入に関して正式契約を締結。これにより、MRJの合計受注機数は427機(確定233機、オプション170機、 購入権24機)となる。 また、7月に英国ファーンボローエアショーでスウェーデン・ロックトン社と交わした基本合意が確定すると、合計受注機数は447機(確定243機、オプション機180機、購入権24機)となる。エアロリース社への納入は、2018年に開始する予定。
エアロリース社からは、MRJの資産的な価値だけでなく、国産初のジェット旅客機にかける日本のものづくりについても高い評価を得ているという。今後両社は、MRJプログラムのパートナーとしてMRJのカスタマーベースを拡大し、機体のさらなる価値向上に取り組んでいくとしている。
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