8月25日(現地時間)、MicrosoftはOffice 365に加えた更新内容を公式ブログで説明した。Word、OutlookおよびSharePointはWindows 10 Anniversary Updateで機能向上させた「ナレーター」と連動することにより、使いやすさを向上させている。毎分800文字まで読み上げると同時に句読点の制御など、自然な音声読み上げを実現した。Office 365の開発チームは、今後もスクリーンリーダーによる生産性向上を高めるため、ナレーター開発チームと密接に連携する。
SharePoint Onlineのドキュメントライブラリは、ショートカットキーの拡充が行われている。エクスプローラーのように矢印キーでリストアップされたファイルやフォルダーを操作する機能が加わった。また、新たにハイコントラストモードに対応したのも新たな特徴の1つ。白内障などの視覚障がい者向けにシンプルかつ必要な部分だけを強調したハイコントラストを選択すると、テーブルやアクティブ・非アクティブなセルが明確になる。なお、図形やグラフは、ハイコントラストテーマで使用可能は配色を選択する仕組みだ。
Word Onlineなどから使用する校正と学習ツールは、失読症などに威力を発揮する。Microsoftが2016年7月に発表したエディター機能と校正ツールはクラウドベースで動作し、スペルミスの検出結果や修正時の選択肢を大幅に拡張。その場で正しいスペルか音声で確認できる。
Mac OS X(macOS)向けOfficeにもアクセシビリティチェック機能が利用可能になった。作成したドキュメントが万人に見やすいものか確認するアクセシビリティチェック機能はMac OS X向けに限らず、Web版およびUWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)アプリケーション版のSwayにも今後追加される。また、Mac OS X版Wordはタグ付きPDFファイルのエクスポート機能もサポート。今後Mac OS X版ExcelおよびPowerPointにも同様の機能が追加される予定だ。
the Office Engineering team アクセシビリティリード&パートナーディレクターのJohn Jendrezak氏は「Office 365のアクセシビリティに関する更新は生産性を向上させる」と述べつつ、障がいを持つ人々が任意のデバイス上でコンテンツを作成可能にすると同時に、容易に参照できるコンテンツ作りを目指すと語る。Microsoftは2016年2月に利便性向上を中心としたOffice 365の機能拡張に関する行程表を発表していた。
阿久津良和(Cactus)