米Googleは5月18日(現地時間)、Google I/O 2016(5月18~20日)の基調講演で、モバイルVR(仮想現実)プラットフォーム「Daydream」を発表した。段ボール紙を使って自作できるVRプラットフォーム「Cardboard」よりも快適に、よりリッチにVRを楽しめる。今秋に同プラットフォームのVRを体験できるシステムが登場する見込みだ。

Cardboardは、コストをかけることなく、スマートフォンを使って誰でも簡単にVRを体験できるVRプラットフォームだった。ただ、シンプルゆえにヘッドセットの作り方次第で装着感がまちまちで、VR体験や操作感も快適と呼べるようなものではなかった。DaydreamはCardboardと同じようにスマートフォンを利用するが、心地良い装着、継続的な操作、没入感のあるVR体験を実現できるように設計されている。

Daydreamは「スマートフォン」「ヘッドセット&コントローラ」「ソフト」で構成される。スマートフォンはセンサー、ディスプレイ、SoCが定められており、それらを満たした「Daydream-Ready」の端末を使用する。Samsung、HTC、LG、Xiaomi、Huawei、ZTE、ASUS、AlcatelなどがDaydream-Ready端末を提供する予定。

Daydreamでは、Daydream-Readyスマートフォンがフィットし、快適に使用できるようにヘッドセットのリファレンスデザインが定義されている。さらにVR向けのコントローラのリファレンスデザインも用意した。クリック可能なタッチパッド、ボタンを備え、方向や動きを認識するセンサーを内蔵し、ゲームコントローラとしても使いやすいという。

コントローラのリファレンスデザイン、Apple TVのコントローラのように動きとスワイプ、ボタンを組み合わせた操作が可能

ソフトは、低レイテンシのグラフィックスをサポートする「Android N」(コードネーム)にVRモードが用意され、Daydream-Ready端末との組み合わせによって遅延の少ないVR体験を実現する。Googleによると、Nexus 6Pで動作するAndroid N Developer Preview 3のMotion to Photonレイテンシ(追従速度)は20ms未満だ。

またGoogle Play for VRを用意して、Daydream対応アプリへのアクセスをサポートする。入手したアプリは、Daydreamのホーム画面「Daydream Home」から簡単にアクセスできる。New York Times、CNN、HBO Now、Netflix、NBA、Hulu、IMAX、MLB.comなどがVR対応アプリの提供を計画している。

Google Play for VR

Daydream Home