国土交通省は22日、熊本地震の影響で運転を見合わせていた九州新幹線博多~新水俣間のうち、博多~熊本間で運転再開すると発表した。JR九州は23日の新幹線・在来線の運転計画とともに、23日以降の九州新幹線博多~熊本間の臨時時刻表も掲載している。
九州新幹線は14日夜に発生した熊本地震で回送列車が脱線したほか、新玉名~新八代間を中心に多数の施設被害が報告された。地震発生後、博多~鹿児島中央間の全区間で運転を見合わせたが、20日から新水俣~鹿児島中央間で運転再開。新玉名~熊本間は21日から復旧工事に着手し、順調に進めば22日に応急復旧作業が終了する見込みとされていた。
国交省の発表によれば、23日は朝から走行試験を行い、順調に進めば正午頃から博多~熊本間で運転を再開する予定だという。JR九州も23日の運転計画にて、「博多発11時51分、熊本発11時53分から再開」と発表している。ただし、試験走行の状況や余震などにより、運転計画が変更となる場合もある。
博多~熊本間が予定通り運転再開された場合、23日は下り11本・上り10本の列車を運転。すべて「つばめ」で、途中の各駅に停車し、所要時間は1時間強。下り熊本行最終列車は博多駅22時54分発「つばめ359号」、筑後船小屋行最終列車は博多駅23時31分発「つばめ361号」、上り博多行最終列車は熊本駅22時49分発「つばめ362号」となる。
4月24日以降の時刻も公開されており、博多~熊本間で下り15本(深夜の1本は博多発筑後船小屋行)・上り15本を運転する予定。下り始発は博多駅6時10分発「つばめ333号」、上り始発は熊本駅6時21分発「つばめ334号」となる。すでに運転再開している新水俣~鹿児島中央間では、下り・上り各16本(うち早朝の下り1本・深夜の上り1本は川内~鹿児島中央間)の「つばめ」を運転する。
23日以降の博多~熊本間・新水俣~鹿児島中央間「つばめ」について、「普通車全車自由席で、グリーン券は空席がある場合に限り車内で発売します」とJR九州。残る熊本~新水俣間は23日も終日運転見合わせとされ、復旧のめどは立っていないという。
三角線宇土~三角間も4/23午後から運転再開へ
14日夜の地震で脱線した車両(800系6両編成)に関して、国交省は22日から熊本総合車両所への移送を開始することになったと発表している。脱線車両を載線し、切離し作業を行った上で順次移送する予定で、「脱線車両の撤去作業の完了見込みについては、これらの作業の進捗により決定される予定」(国交省)と説明している。
在来線は三角線宇土~三角間で23日午後から運転再開予定とされた。ただし、熊本~三角間の特急「A列車で行こう」は23日も終日運転見合わせとなる。豊肥本線肥後大津~豊後竹田間と肥薩線八代~吉松間は引き続き運転を見合わせ、豊肥本線宮地~豊後竹田間で代行バスを運転する。豊肥本線の特急「九州横断特急」「あそぼーい!」、肥薩線のD&S列車「SL人吉」「いさぶろう・しんぺい」は終日運転見合わせとなる。
鹿児島本線熊本~八代間と豊肥本線熊本~肥後大津間は23日も本数を減らして運転。一部区間で徐行するため、列車の遅延が見込まれる。久大本線も恵良~湯平間の一部区間で徐行運転を行う。新八代~宮崎間の高速バス「B&Sみやざき」は23日、始発から通常通り運転を行う予定だが、新八代駅での鹿児島本線との接続は行わない。