俳優の堺雅人が14日、東京・渋谷のNHK放送センターで行われた、来年の大河ドラマ『真田丸』(1月10日スタート、毎週日曜20:00~20:45/第1回は~20:58)の完成披露会見に出席し、「船出の時がようやく来た」と、放送開始に向けての興奮を語った。

大河ドラマ『真田丸』主演の堺雅人

同作は、三谷幸喜の脚本で、戦国時代最後の名将と呼ばれた堺演じる真田信繁(通称・真田幸村)を中心に、戦国の荒波に揉まれ続けた真田家を描くもの。物語は家族愛を柱に進みながら、三谷脚本ならではのコミカルな要素も随所に登場し、演出の木村隆文氏は「会話劇としての面白さと、キャストの皆さんの魅力を最大限に引き出すことを心がけて、あまり奇をてらわず、正攻法でストレートにいきたい」と狙いを語る。

第1回放送分の試写後に登場した堺は、父・真田昌幸役の草刈正雄の演技を絶賛し、「本当に若々しくて、何を考えているのか分からないけど、時代の波を必死に抗(あらが)おうとしているその姿。草刈さんの背中を見ながら、僕は育っていくんだな」と熱弁。自身も第1話で15歳という年齢を演じるが、その役づくりについて「ハキハキ、イキイキというのは監督と話をしていました」と言いながら、「共演者の方とお芝居を生でやることが一番のイキイキの秘けつだと思います」と明かした。

また、真田幸村は、戦国の大名として、勢力を拡大していく人物ではないが、堺は逆に「(領土を広げていく)イケイケドンドンの話じゃないところが面白い部分だと思っていて、迷いながらいろんな価値観を共存させて、前に進んでいくという"だましだましの感覚"が、『真田丸』の魅力になるなんじゃないかなと勝手に思っています」との考えを披露。「それが今、日本で一番見たい物語なんじゃないかな」と、新たなヒーローとして期待を込めた。

なお、前日に堺と一緒にNHKの別の番組の会見を行ったタモリと笑福亭鶴瓶が、同作への出演を要望していたが、堺は「タモリさんは(幸村が住んでいた)九度山の村人役で出たいとおっしゃっていたので、出てくるかもしれないですね(笑)」と期待。一方、制作統括の屋敷陽太郎氏は「(2人の起用は)全く考えていませんでしたので、戦国武将の名前を見ながら考えたいと思います」と言いながら、「でも、(タモリの)サングラスとかどうするんですかね(笑)」と苦笑いしていた。