東芝と東芝機械は11月25日、従来のパウダー・ベッド・フュージョン方式と比較して約10倍以上の造形速度を実現する3D金属プリンターの試作機を共同開発したと発表した。

同3Dプリンタは、レーザ照射と同時に金属粒子を噴射することで造形を進めるレーザメタルデポジション方式を採用するとともに、流体シミュレーション技術を活用し金属粒子の噴射領域を小さく集束させる造形ノズルを新たに開発したことにより、レーザ出力800Wで1時間あたり110ccの造形速度を実現した。また、材料の必要な部分のみレーザ照射で造形するため、これまでのパウダー・ベッド・フュージョン方式より低コストで大型の造形が可能となる。材料は、ステンレス鋼、インコネル、鉄などに対応しており、部分的に素材を変えた部品を造形できるという。

両社は今後、造形速度および解像度の向上、3DCADソフトとの連携など改良を進め、2017年以降の実用化を目指すとしている。

なお、同3Dプリンタは12月2日から4日まで東京ビッグサイトで開催される「モノづくりマッチングJapan2015」で展示される予定。

試作機の外観