吉祥寺のジュエリーアトリエショップ「福永宝飾店」は、日本におけるインド細密画の第一人者インサーフ・アリ氏の展示販売会「インサーフ・アリのインド細密画展」を開催する。会期は10月30日(金)~11月9日(※会期中は無休)。営業時間は11:00~19:00(※最終日は16時まで)。入場無料。

ムムターズ・マハルの肖像

サラスワティ神

クリシュナ神

インサーフ・アリ氏は、幼少よりインド細密画を修行し、現在は日本で宝石商のかたわら絵筆を握っている画家。インド細密画の絵の具の原料にはルビーやサファイアなどの鉱物の粉末が使用されており、その色彩の豊かさや鮮やかさなどは、まさに「描かれた宝石」と呼ばれるにふさわしいものとなっているとのこと。

ガネーシャ神

インド細密画の細部

なお、インド細密画は15世紀から19世紀を最盛期として、インド各地で描かれた絵画。リスの尻尾から作る極細の絵筆を使って、小さなものは数センチ四方、大きくてもA4サイズ程度のキャンバスに緻密に描かれ、キャンバスも紙だけにとどまらず、象牙(現在では入手不可)や大理石、革なども用いられる。ヒンドゥー文化圏で描かれた「ラージプト絵画」や、イスラム文化圏で描かれた「ムガール絵画」など、文化や描かれた土地によって画法やモチーフなどが異なる。インサーフ氏は「ムガール絵画」の流れを汲む作風で、主に花鳥風月、宮廷の生活、神話のワンシーンなどを描くことが多いということだ。