Cerevoは8月11日、スマートフォンから操作できる電源タップ「OTTO」の国内販売を自粛すると発表した。今後は米国・欧州をはじめとする海外で展開していく。なお、すでに購入したユーザーについて、今後もOTTOを使用すること自体は問題ないとしたうえで、返品希望者への返金にも応じるとしている。

OTTO

OTTOは、インターネット経由での通電オン・オフに対応した電源ポート×8個(うち2個は調光機能付き)を備える電源タップ。専用のスマートフォン向けアプリを用いれば、外出先でもスマートフォンから電源オン・オフなどのリモート操作が可能だ。2013年にクラウドファンディングにて資金募集を開始し、2015年4月9日に国内で発売された。

Cerevoは、OTTOが電気用品安全法における「サービスコンセント付き調光器」と見なされるとし、開発に着手。開発途上では、同法において適法な製品であるかを確認するために、電気用品安全法登録検査機関であるJET(一般社団法人電気安全環境研究所)へ問い合わせ、『届出、表示については、「調光器」に係わる手続きをもって足りうると判断する』との見解を得ていた。

また、電気用品安全法が定めるところの「別表第八1(2)ロ(イ)赤外線を利用したもの」に、赤外線による調光器の遠隔制御が可能であると記されていたことから、OTTOは赤外線で調光器をコントロールできるリモコンユニットを搭載。リモコンユニットをインターネット経由で操作することで、電源オンを実現していた。

JETの見解と仕様を踏まえ、OTTOの販売を開始したところ、経済産業省電気用品安全課から、OTTOの輸入および販売が法に抵触する可能性があると指摘を受けたという。指摘の内容は、「調光器をインターネット接続機能を有するリモコンユニットと組み合わせて使う提案を行なう限りにおいて、本製品は『通信回線経由で操作する』一体の製品とみなし、電気用品安全法第8条一項(技術基準適合義務)のリスク評価を行い、通信回線による遠隔操作としての安全性が確認されない限り、電気用品安全法違反となる"可能性"がある」というもの。

Cerevoは今後、電気用品安全法に関する省令の改正、または解釈の変更がない限り、OTTOの日本国内での販売は自粛する。なお、法に抵触する可能性があるのはOTTOの輸入・販売についてであり、すでに購入したユーザーはこれから先も使い続けられるが、返品を希望するユーザーには返金する。希望者はCerevoのサポート窓口まで連絡するよう呼びかけている。