TANAKAホールディングスは7月15日、田中貴金属グループのめっき事業を展開する日本エレクトロプレイティング・エンジニヤース(EEJA)が、量産機同様の皮膜を実現する半導体ウェハ用カップ式小型めっき実験装置「RAD-Plater」を開発し、即日販売を開始したと発表した。

同装置は、2~8インチの半導体ウェハ製造用の小型めっき実験装置で、一般的な設備の100V電圧、圧縮空気下のみで運用可能。対応めっき液は金、銀、パラジウム、銅、ニッケルなどのほかに、合金、鉛フリータイプなど幅広く、めっき液量はディップ式の約半分である10リットル以下に抑えているため実験コストを低減することが可能となっている。

また、カップは同社製スターカップを採用することで、めっき膜厚の均一性や気泡除去性、深いビアへの埋め込み性に優れた、量産レベルのめっき品質を実現したとするほか、イオン供給量を増加させた事に伴う高い電流密度により、めっき時間の短縮も実現したとする。

さらに、これまで量産機を購入し自社で実験を行っていた場合に比べて、3分の1から4分の1の価格帯で導入ができるため、コストの抑制も可能とするとしている。

なお、同社では、メーカー研究開発試作部門や大学などの教育・研究機関、材料メーカーなどに対し同装置とめっき液を合わせてサンプル提供することで、量産時のめっき装置、およびめっき液の販売向上を図りたいとしており、2017年までに年間5億円の売り上げを目指すとしている。

半導体ウェハ用カップ式小型めっき実験装置「RAD-Plater」