米Microsoftは5月13日(現地時間)、「Windows 10」の製品エディションを発表した。これまでと同様、個人・ファミリー向けに「Windows 10 Home」、ビジネス/プロシューマー向けに「Windows 10 Pro」を用意。モバイルとOSコアを共通化するWindows 10では、スマートフォン/小型タブレット向けに「Windows 10 Mobile」を提供する。アップグレードを容易にするためにWindows 10ではSKU(製品構成)が絞り込まれるとも噂されていたが、Windows 8/Pro/Enterprise/RTの4つで展開したWindows 8と同じように、ユーザーのニーズとデバイスの特徴を考慮した構成になっている。

  • Windows 10 Home:PC、タブレット、2-in-1をカバーするコンシューマ(個人・ファミリー)向けのデスクトップエディション。コミュニケーション、エンターテインメント、プロダクティビティ、また日々の生活をサポートするツールとしてバランスに優れる。Xboxのゲーム体験が取り込まれ、Xbox Oneとも連携する。

  • Windows 10 Mobile:スマートフォンや小型タブレットなど、タッチユーザーインターフェイスを備えたモバイルデバイス向けのエディション。Windows 10 Homeにも含まれるユニバーサルWindowsアプリや、タッチに最適化されたWindows 10向けOfficeを利用可能。スマートフォン向けのContinuumに対応する端末では、大きなディスプレイに端末を接続すると、PCを操作するようにデスクトップUIでアプリを使用できる。また、個人のモバイルデバイスを仕事にも活用できるだけのセキュリティとデバイス管理機能を装備する。なお、MicrosoftはPocket PCと呼んでいたモバイルOSを2003年に「Windows Mobile」に改称してリリースしていた。2010年にWindows Phoneにモバイルプラットフォームの開発を集中させてからPocket PCの流れを汲むWindows Mobileの提供は止まっており、Windows Mobileという名称は5年ぶりの復活になる。

  • Windows 10 Pro:Windows 10 Homeにスモールビジネス向けの機能を加えたエディション。デバイス/アプリ管理、データ保護、クラウド技術の活用、リモート/モバイルの仕事環境をサポートし、CYOD(Choose Your Own Device)を採用する組織やプロシューマに適している。Windows Update for Businessの利用が可能。

Windows 10は今年の夏に世界190カ国、111言語でリリースされる予定。各エディションの価格、機能セット、ライセンスの詳細などは不明。Windows 10 Home、Windows 10 Mobile、Windows 10 Proは、条件を満たすWindows 7、Windows 8.1、Windows Phone 8.1デバイスにリリースから1年間は無料アップグレードとして提供される。

これらのほか、Windows 10には以下のようなボリュームライセンス顧客向けのエディションが用意される。

  • Windows 10 Enterprise:Windows 10 Proをベースに中規模・大規模ビジネス向けに設計したエディション。日々変化する脅威からデバイスや情報を保護する先進的なセキュリティ、企業の要求に応えられるOS導入オプション、包括的なデバイス/アプリ管理をサポートする。

  • Windows 10 Education:Windows 10 Enterpriseをベースに学校・教育機関向けに設計したエディション。学校・教育機関向けボリュームライセンス・プログラムを通じて提供する。Windows 10 Home/ProからWindows 10 Educationへのアップグレードパスも用意される。

  • Windows 10 Mobile Enterprise:スマートフォンや小型タブレットに最適化されたビジネスユーザー向けのモバイルエディション。Windows 10 Mobileのプロダクティビティ機能とデバイス管理に加えて、ビジネス向けの柔軟なアップデート管理、先進的なセキュリティ機能を利用できる。

これらのほか、Windows 10のSKUには、ATMやPOS、産業ロボットといった産業デバイス向けのWindows 10 Enterprise/Windows 10 Mobile Enterprise、ゲートウエイなど小型デバイス向けの「Windows 10 IoT Core」が含まれる。