東武鉄道はこのほど、東武本線に2017年春、新型特急車両500系8編成24両を導入すると発表した。1編成あたり3両固定で、編成同士の併結・分割を可能とした仕様になるという。

東武鉄道の新型特急車両500系の外観イメージ(画像左)とインテリアイメージ(同右)

新型特急車両500系は、「さまざまな運行形態で運用可能な速達性と快適性を持った特急列車」をコンセプトに開発され、編成同士を併結して先頭車前面の扉を開放させることで、1編成の車両数を3両の倍数に増やすことができる。途中駅で列車の併結・分割などを行えば、利用者の目的地に合わせたきめ細かい運用が可能になるという。

車両デザインは、数多くの鉄道や自動車などのデザインを手がける奥山清行氏が代表を務める「KEN OKUYAMA DESIGN」が監修。外観は先進的でシンボリックなデザインとし、「シャンパンベージュ」を基本色に、特急の格式と沿線の緑豊かな自然を「フォレストグリーン」で表現。東武グループのグループロゴカラー「フューチャーブルー」を窓下にあしらい、全体を引き締めた。

インテリアは白を基調に、雄大な大地や樹木をイメージした木目を配置。天井は鬼怒川や隅田川の流れをイメージした柔らかな造形とする。腰掛けには江戸の伝統色「江戸紫」をモチーフとした配色を施し、袖部分には江戸の伝統工芸「印伝」をモチーフとした柄をあしらう。

車両設備では乗り心地の向上を図り、東武鉄道として初めて車体動揺防止制御装置(アクティブサスペンション)を採用。鉄道車両の駆動用主電動機である永久磁石同期電動機(PMSM)の搭載、アルミ車体による軽量化やLED照明の採用などにより、環境負荷の低減を図るという。車内Wi-Fi環境やPC電源の整備といったサービス向上、AED・医療支援器具の据付け、車いすスペース・車いす対応トイレの設置などによるバリアフリー化にも取り組んだ仕様となる。

車体幅2.87m、車両長20.0mで、座席数は3両1編成で161席。川崎重工兵庫工場で製作し、2016年度に納入される予定。導入後の運用の詳細は後日発表されるとのこと。