インド・グルガオンにあるNAS Media Solutions India Pvt Ltd(ナスメディアソリューションズインディア)は、様々な媒体の制作・編集・翻訳・印刷を手掛ける日系企業です。同社の営業・事業開発担当マネージャーとして活躍するディガンバル・サーダナさんに話を聞きました。
■これまでのキャリアの経緯は?
専門は印刷技術。大学で商取引の学位を取得した後、インドで有名な印刷技術の学校に進んだ。そこは理論が3割、実技が7割のとても実践的な学校だったよ。
この会社に入る前、自分で印刷関係の事業を興したんだ。今は弟がその事業に携わっている。会社に就職するのは今回が初めて。すでに同じ分野で事業を興していたので、この分野については専門性があったし、新しい会社の立ち上げに関われるのはチャンスだと思ったんだ。きっと僕はこの会社の助けになれると思っているよ。
■現在のお給料は以前のお給料と比べてどうですか?
具体的な金額や以前との比較はいえないけど、大きな不満はないよ。
■今の仕事で気に入っているところ、満足を感じる瞬間は?
初めてのお客さんのところに行くとき、そして契約できたときはとてもエキサイティング。お客さんの多くは、自分の仕事を"誰に""どのように"依頼するのがベストなのか明確にわかっていないことが多いから、まずは問題点をヒアリングして、必要なサービスを提案する。そのこと自体がエキサイティングだし、もちろんそれが契約にいたれば、また素晴らしいことだね。
満足を感じる瞬間は自分の計画したプロジェクトが自分の計画通りに進んだときだね。そしてお客さんに喜んでもらったときはやっぱりうれしい。
■逆に今の仕事で大変なこと、嫌な点は?
嫌なことはないかな、仕事だしね。でもストレスを感じるのはチームが自分の期待通りの働きができなかったときだね。あとは適切なサポートが周りから受けられないとき。やることが多くなってくるとストレスを感じるね。
ただ、辞めたいと思うことは今はないね。新しい会社なので、会社の意思決定にはすべて関われるし満足している。でも仮に僕なしでも会社がうまくまわるようになって、ちょうどそのときに他にいい話があれば辞めることはあり得るね。
■ちなみに、今日のお昼ごはんは?
僕はいつもお母さんがつくったお弁当なんだ。僕はノンベジタリアンだけどお弁当は基本的にベジ料理だね。ノンベジ料理は通常は夜に食べるよ。今日はチョーレー(ひよこ豆のカレー)、チーズトマト(カッテージチーズとトマトのスパイス炒め)、チャパティ(小麦粉を薄く延ばして焼いたもの、インディアンブレッド)。
■日本人のイメージは? あるいは、理解し難いところなどありますか?
とてもよく働く。仕事に全てをかけているように感じるね。スケジュールは事前にすべて決められているとかね。
ネガティブな面をいうとすれば、仕事をしすぎる点かな。もう昼食抜きはしょっちゅうだし…。それから、インドと日本の間にはいろいろなギャップがあることをもう少し理解してほしいかな。例えば、現状のインドでは地理的な問題や文化的なことに起因して日本よりも様々なことに時間がかかったりすることがあるし、インドで日本のクオリティを実現しようとすると日本並みにコストがかかってしまうこともあるんだよね。
■最近TVやラジオ、新聞などで見た・聞いた日本のニュースは何ですか?
一番ホットなニュースは日本が多額の投資をインドにするという話。すでに多くの投資がここ10年、15年で日本から行われてきて、それがインドでとても重要なものになってきているね。インドを拠点に中東などへの輸出も増えていくだろうし、インドは日本と違って人口の60~70%が働いている現役世代だから購買力も桁違いになってくるはず。日本にとってもインドに投資するのは合理的な決定だと思う。
■休みのとりかたは?
基本的には月に8回、土日が休み。でも土曜日は社内でミーティングがあることも多いから半日仕事のこともあるよ。
基本的に休みの日は友達や家族と過ごすことが多い。買い物や食事だね。それと趣味がバイクなんだ。Royal Enfield(ロイヤルエンフィールド)というインドのアメリカンバイクに乗っている。長期休暇ではインドのいろんなところにツーリングするのが好きで、土日はバイクのメンテナンスをすることも多いね。それと日本語も勉強しているから、学校にもね。
■将来の仕事や生活の展望は?
早いうちに経営のトップに立ちたいね。そして海外で働きたいと思っている。日本ももちろん選択肢だね。日本のこともインドのこともよくわかっているから、印日の架け橋として様々なギャップを埋めていけたらいいと思っているよ。そして日本で運転免許をとってバイクでツーリングできたら最高だね!