公開初日を迎えたアニメーション映画『劇場版 シドニアの騎士』の初日舞台あいさつが6日、東京・新宿のバルト9で行われた。

左から金元寿子、洲崎綾、逢坂良太、弐瓶勉氏、瀬下寛之副監督

『劇場版 シドニアの騎士』は、元々スクリーンサイズのクオリティで制作されたTVアニメ全12話(2014年4月~6月放送)を、静野孔文監督が劇場公開用に再構成した作品。未公開アングルカットの多数追加&音響効果の再制作など、さらなるクオリティアップが施され、主人公の谷風長道と星白閑の2人を中心に描いた物語で構成されている。この日の舞台あいさつには、原作者の弐瓶勉氏、瀬下寛之副監督、谷風長道役の逢坂良太、星白閑/エナ星白役の洲崎綾、緑川纈役の金元寿子が登壇した。

初日を迎えた瀬下は「スクリーンに耐えうるいい画を作りたいという思いで、スタッフ一同制作してきたので、本当に劇場作品になって感無量です」と喜びをあらわにし、原作者の弐瓶氏は「まだ劇場でを観れていませんが、すごくよかったです!」と確かな手応えを感じている様子。逢阪も劇場では観れておらず、思わず「家のテレビの大きさ臨場感を味わいきれないので、劇場で見たいです」と本音がポロリ。そして洲崎は「再編集されて本当にド迫力で、素晴らしい映画になっていて感無量です」と胸の内を明かした。

本作は、長道と星白の二人を中心に描いている点も注目だが、洲崎は「長道の心情がより伝わってきます」、逢坂は「二人の関係性がよりわかりやすくなっていると思います」とそれぞれに述懐。また、緑川纈役の金元は、本作で大胆な温泉シーンが追加されたことに驚いたといい、瀬下副監督は「欠かすことのできないシーンです。静野監督が、男はいらんといって、二瓶先生に相談したことで実現したんですよ」と温泉シーンへこだわりを語った。

そして新アングルシーンでは、スタッフの『シドニア』にかける意気込みや、作品への愛情を信頼し、静野監督、瀬下副監督がほとんどノーチェックで進めていたことも明らかに。瀬下副監督は「僕たちが思いもよらなかったかっこいいアングルがいっぱいあります。スタジオ全員で楽しく作らせてもらっていることが伝わると思います」と太鼓判を押していた。

ラストの戦闘シーンを見どころとしてあげた逢阪は、温泉の入浴シーンに「小林艦長もいてほしかった」とこぼすと、洲崎からは「いつになったら星白のことに触れてくれるのかワクワクして待っていたけど」とツッコミ。そんな二人の様子をみた金元は「谷風と星白の二人の関係がいいなと感じました。流されてしまった時のシーンをあげて、その後の展開の衝撃をうけて心を動かされます」と話した。終盤には、同日に発表された声優アワードで、逢坂と洲崎の二人が新人賞を受賞したことを受け、弐瓶氏から衛人操縦士服姿の逢阪の似顔絵色紙(洲崎にはラジオ出演の際にプレゼント済み)や瀬下副監督からシャンパンが送られた。また、2月16日に誕生日を迎えた弐瓶氏へも、スタッフやキャストによる寄せ書きがプレゼントされていた。

最後に瀬下副監督は「4月から始まる第2期を見ていただく方に内容を理解してもらうために1期12話分の総集編として制作をはじめたのですが、もともと1話の情報量が多かったこともあり、ダイジェスト版にしかなりませんでした。そこで、静野監督から、もう映画として楽しめるように長道と星白の出会いと成長の物語にしましょうということになり、1期を作った僕らですら、こうした視点や見方があるのかと再発見が多かった作品です」と改めて制作の経緯を伝え、「スタッフの皆さんが本当にがんばってくださっています。単体の劇場作品として楽しんでいただける作品に仕上がっているので、ぜひ楽しんで観ていただければと思います」と本作をアピールしていた。