AMDは3月4日、優れたVR(バーチャルリアリティ)体験を提供する新構想の第1弾として「LiquidVR」を発表し、「LiquidVR」SDK1.0のアルファ版を登録済みの開発者にリリースした。

VRにおいてユーザーに非物理的な世界を物理的に存在していると認識させるためには、ユーザーが頭を動かした時と、頭部を動かした位置から新たなイメージを目にするまでの時間、つまり動作から表示までのレイテンシー(遅延)を解決する必要がある。

「LiquidVR」は、ハードウェア・アクセラレーションによるタイムワープ技術により、1フレームのレンダリング後にユーザーの頭部位置の情報を活用する。イメージをワープし、新しいイメージをVRヘッドセットに送信することで、ユーザーが頭部の向きを変えた時点からスクリーンに表示されるまでのレイテンシーを効果的に最小化できるという。

また、リアルタイムに近い早さでデータをまとめることで頭部装着ディスプレイのヘッドトラッキング・データを可能な限り早くGPUに送ることができるプログラミング・メカニズムを採用し、レイテンシーを排除する。

このほか、複数のGPUを並列動作させ、GPUごとにプロセスを割り当てることでVRアプリケーションのフレームレートを改善する技術を採用。それぞれのGPUが片目で見たイメージをレンダリングし、その出力を組み合わせて1枚のステレオ3Dイメージにすることができる。

AMDは「コンテンツ、快適性および互換性はAMDのVRへの取り組みの要であり、今回発表した『LiquidVR』は、これらの3分野に大きな進歩をもたらします。『LiquidVR』により、当社はエコシステムと協力してVRにおけるいくつかの課題を解決し、VRコンテンツ開発者が優れた新しい体験を実現するための手段を提供します」とコメントした。