JR九州は25日、今夏から運行開始される予定の新しいD&S列車について、列車名や運行概要などを発表した。列車名は「JRKYUSHU SWEET TRAIN『或る列車』」。大分~日田間、佐世保~長崎間での運転が計画されている。

JRKYUSHU SWEET TRAIN「或る列車」外観イメージ(JR九州提供)

同列車は、「世界的な模型の神様」とされ、原鉄道模型博物館(横浜市)の創設者である故・原信太郎氏が愛した幻の客車「或る列車」の模型をもとに、1/1スケールで"再生"させた新しいD&S列車。原健人氏(原鉄道模型博物館副館長)が監修し、デザイン・設計は水戸岡鋭治氏(ドーンデザイン研究所)が手がけた。「或る列車」の模型を手本に、気動車2両編成をJR九州流にアレンジし、金と黒、唐草模様をあしらった外観となる。

列車名に採用された「或る列車」に関して、「或る」のローマ字表記「ARU」には、「Amazing」(すばらしい九州の魅力を広く発信)・「Royal」(豪華なデザイン、すばらしいスイーツコース)・「Universal」(世界中の皆さまに愛される列車)といったキーワードが込められているという。

車内にはテーブル席と個室(2名用)、厨房、サービスカウンターを設置。1号車はロマンチックな色・クラシカルな形にこだわり、素材にメープル材を採用した。2号車には落ち着いた色とウォールナットの組子に囲まれたコンパートメント(個室)を用意。成澤由浩氏(東京・南青山「NARISAWA」オーナーシェフ)監修のスイーツコースも提供予定で、「車内で特別なスイーツを楽しみながら、贅沢な時間を過ごしていただける」列車になるとのこと。

(画像左から)1号車と2号車コンパートメント(JR九州提供)

JRKYUSHU SWEET TRAIN「或る列車」は2015年夏から運行開始。夏季は大分~日田間で1日1往復、秋季以降は佐世保~長崎間で1日1往復、それぞれ金曜・土曜・休日を中心に運転される。定員は38名で、2人席を2名で利用した場合の1人あたりの基本プラン料金(運行区間のJR料金、スイーツコース・ドリンク料金を含む)は2万円から。個室など利用する場合は別途料金が必要となる。JR九州旅客支店やJR九州の駅旅行センター、大手旅行会社で旅行商品としての発売が予定されている。