東京都・表参道のラットホールギャラリーでは、アラーキーこと写真家・荒木経惟の最新シリーズを紹介する個展「切真(きりしん)」を開催している。開催期間は11月2日まで、開場時間は12:00~20:00(月曜休廊)、入場無料。

荒木経惟「切真」より C-Print 54×78.5cm 2014年

同展では、ポジフィルムを半分に切り離し、組み合わせを変えて新たにつなぎ合わせたフィルムからプリントした最新シリーズ「切真」より、約30点の写真作品を展示。写真集の刊行とともに、今回の展示が初公開となる。

昨年末に右眼の視力を失ってから撮影された、日常生活や街の風景、女性のヌード、花や人形のイメージを組み合わせた写真には、荒木の現在の心境が映し出されているとともに、「切る」行為によって新しい発見や物語を生み出している。

なお、ポラロイドをふたつに切って新たにつなぎ合わせた作品「愛切(あいせつ)」や、ポジフィルムの右側を黒マジックで塗りつぶした作品「左眼ノ恋(さがんのこい)」に続く今回のシリーズでは、荒木の遊び心やユーモアとともに、自らの手による「破壊」と「再生」によって独自の生死観が表現されている。