理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター(理研CDB)は9月12日、「滲出型加齢黄斑変性に対する自家iPS 細胞由来網膜色素上皮シート移植に関する臨床研究」における第1症例目の被験者に対し、iPS細胞由来の網膜色素上皮シート(RPEシート)の移植手術を行ったと発表した。
同臨床研究は、目の難病である「滲出型加齢黄斑変性」の患者の視機能を維持、改善する新たな治療法の開発を目指すことを目的に行われるもの。加齢黄斑変性は、目の網膜にある「網膜色素上皮(RPE)」の機能が低下して生じる病気で、滲出型は脈絡膜新生血管と呼ばれる異常な血管が生じRPEなどが傷つき、黄斑部の機能を低下させることで生じることが知られている。主な症状としては、最初は視野の中心部(最も見ようとする部分)で、物が歪んで見えたり、小さく見えたり、暗く見えたり、視力が急に低下することもあるほか、重症化して大きな網膜剥離や出血が起こった場合、さらに広い範囲が見えにくくなることもあるという。
なお、同臨床研究は主に安全性の確認を目的に行われ、被験者としては6名を予定しているという。
