マクニカは9月1日、"メイカーズ"向けに技術ソリューション「Mpression for MAKERS」を立ち上げ、先端半導体デバイスをキット化したソリューションをユカイ工学と開発したと発表した。

近年、電子機器の開発において"メイカーズ"と呼ばれる、3Dプリンタやオープンソースハードウェアなどによる、新しいモノづくり手法を活用したベンチャー企業や個人を中心に、IoT市場へ向けた最先端のセンサやマイコン、ワイヤレスデバイスへの要求が高まっている。特に、従来のハードウェア開発を専門とするエンジニアだけでなく、ソフトウェアエンジニアやWebデザイナーなどが簡単に使用できる、開発キットソリューションへの要望は大きくなっている。

そこで、同社は「Mpression for MAKERS」を立ち上げ、これら新たな"メイカーズ"へ向け、技術商社として有する先端の半導体デバイスに関連する技術力、商品力を生かしたソリューションの提供を総合的に行っていく。今回、その一環として開発されたIoTセンサシールド「Uzuki」、およびBluetooth SMARTモジュール「Koshian」は、IoT機器やウェアラブル機器の開発を目指す"メイカーズ"が、ハードウェアの設計を必要とせず、容易にラピッドプロトタイピングを可能にする画期的な開発キットになっている。

「Uzuki」は、ユカイ工学が開発したiOS/Androidデバイスのためのフィジカルコンピューティングツールキット「Konashi」に接続できるセンサシールドであり、「Konashi」のみならずオープンソースハードウェアのスタンダードであるArduinoのシールドとしても使用することが可能となっている。また、同キットには、3軸加速度センサ、温湿度センサ、近接照度UV指数センサの3つの環境センサが搭載されており、周囲の温度/湿度/照度/赤外線レベル/UV指数などの環境データ、振動/衝撃の検知、近接センサによる物体検出などのさまざまな情報を取得することができる。同ボードを使用することにより、「Konashi」を通してスマートフォンから直接アクセスすることができ、はんだ付けを行うことなく簡単に、各種センサデータを取得するアプリケーションを作成することができる。また、センサ拡張コネクタを搭載しており、市販されている各種I2Cセンサを外部接続することもできる。

「Koshian」は、Broadcomの「WICED SMART SIP BCM20737S(TELEC認証取得予定)」を実装し、オリジナルのファームウェアを搭載した「Konashi」互換(一部機能を除く)のBluetooth SMARTモジュールとなっている。「Koshian」は「Konashi」のベースボードや「Konashi mini」に組み込み簡単に使用することができるとともに、単体でブレッドボードやユニバーサル基板へ実装することが可能となっている。"メイカーズ"はこの「Koshian」モジュールを使用することにより、「Konashi」を使用したIoT製品のプロトタイピングから量産向け試作開発および量産設計へと、容易に移行することが可能となる。

なお、「Uzuki」9月8日、「Koshian」は9月中旬から発売する予定。

IoTセンサシールド「Uzuki」

Bluetooth SMARTモジュール「Koshian」