アメリカ航空宇宙局(NASA)は8月20日、オゾン層を破壊する化学物質として、1987年のモントリオール議定書で生産を禁止されたはずの四塩化炭素が今も放出されている可能性があると発表した。

四塩化炭素はかつてドライクリーニングの溶剤や消化剤に使用されていたが、フロン、ハロンなどのともにオゾン層破壊の原因物質としてモントリオール議定書で生産を禁止され、1996年以降全廃となった。加盟国による2007年から2012年までの生産量はゼロと報告されていた。

しかし、調査の結果、ピーク時のおよそ30%にあたる平均39キロトンが毎年排出されていることが今回わかったという。

同研究チームは、「今回の調査によって、工場から漏れ出るなど、特定できていない放出原の存在が明らかになった」とコメントしている。

2006年に南極上空で観測された最大のオゾンホール(青色部分)