Silicon Laboratories(Silicon Labs)は7月31日、高速ネットワーク、通信、およびデータセンター装置向けに周波数柔軟性が高く、100fs未満のジッタ性能を有する1チップクロックソリューション「Si534x」ファミリを発表した。

インターネット基盤、およびデータセンタシステムの複雑性が高まる中、多様な周波数、信号フォーマット、電圧レベルの幅広いクロックの必要性が増している。また、10/40/100Gネットワーク向けの最高速データレートをサポートするため、ジッタ性能要件も厳しくなっている。従来のクロックソリューションでは多くの場合、柔軟性や集積度の制限により、クロック発振器やジッタ減衰器、発振器、バッファを高コストかつ複雑な組み合わせで、クロックツリーを構成する必要があった。

同ファミリは、業界最高レベルの周波数柔軟性と「1チップ・クロック・ツリー」集積により、ディスクリート部品のあらゆるタイミング機能を1チップに統合し、効率的で費用対効果の高いソリューションとなっている。このうち、ジッタ減衰器「Si5347/46/45/44/42」、およびクロック発振器「Si5341/40」は、業界をリードする周波数変換機能と100fs RMS未満のジッタ性能を有するI2C構成可能なプラットフォームを備えている。

また、最大4つの独立したジッタ減衰PLL、および最大5つの超低ジッタMultiSynth分数合成器を内蔵し、最大10個の出力を100Hz~800MHzの任意の組み合わせの周波数、LVPECL、LVDS、CML、HCSL、LVCMOSの幅広い出力フォーマットから選択して生成できる。さらに、高い集積度と周波数柔軟性により、複数のクロックICやディスクリートのレベル変換器、ループフィルタ、電源フィルタ部品が不要になり、部品(BOM)コストと複雑性が大きく削減されるため、10/40/100Gの厳しいジッタ仕様においても50%を超えるマージンを実現する。

なお、「Si534x」ファミリは、工場で事前プログラムされたサンプルを7mm角の小型QFNパッケージで現在提供中。価格は、クロック発振器「Si5341/40」が1万個購入時で4.75~10.60ドル、ジッタ減衰器「Si534x」が同6.00~29.00ドル。また、「Si534x」ファミリの評価ボードは、200ドルおよび250ドルとなっている。評価ボードは、デバイス構成から詳細な性能分析、カスタム部品番号生成までを、より迅速に行うことができる。この他、ソフトウェア「ClockBuilder Pro」は、同社のWebサイトから無償で入手できる。

100fs未満のジッタ性能を有する1チップクロックソリューション「Si534x」ファミリ