セイコーNPCは7月23日、ナノグラニュラーTMR型磁気センサ素子、アンプIC、およびバイアス磁石を小型パッケージに収めた磁気センサモジュール「SM3600AP」を発表した。

磁気センサの応用分野の1つとして、有価証券などの識別が挙げられる。従来の磁気センサでは、印刷された磁気インクによって発生する磁場変化が微弱なため、磁気センサ表面と対象物を接触させる必要があった。同製品は、磁気センサ素子に高感度ナノグラニュラーTMR型を採用したことにより、非接触で磁気インクの検出が可能となった。加えて、アンプICとバイアス磁石も同一パッケージに搭載したことにより、安定した検出信号を得ることができるため、有価証券などの識別機器の開発を容易にし、機器の性能向上に貢献する。また、微小な磁場変化の検出が可能なため、金属の微細な破損、腐食など、従来の磁気センサでは困難だった、金属などの非破壊検査にも応用が可能となっている。

今後は、磁気パターンの画像イメージ化を実現すべく、ナノグラニュラーTMR型磁気センサ素子の特徴をより生かした、解像度の高い磁気ラインセンサモジュールの開発も進めるとコメントしている。なお、サンプル価格は1500円(税別)。現在、量産出荷中で今後月産5万個体制を構築していく予定。

ナノグラニュラーTMR型磁気センサ素子、アンプIC、およびバイアス磁石を小型パッケージに収めた磁気センサモジュール「SM3600AP」