日本時間6月13日に開幕した「2014 FIFAワールドカップ ブラジル大会」。熱狂渦巻くブラジルのちょうど地球の真裏に位置する日本では、サッカーに負けじとプロ野球が盛り上がりをみせている。今回は4年に一度のサッカーの祭典を祝いつつ、その開催年に優勝したプロ野球チームを集計して、その因果関係に迫った。
ワールドカップ開催年にリーグ優勝したチームを集計
集計は1950(昭和25)年の2リーグ分裂後からスタート。この年は第4回のワールドカップがブラジルで開催され、セ・リーグは松竹ロビンス、パ・リーグは毎日オリオンズがリーグ優勝。以降、4年に一度の周期できっちりと開催され、今年で20回目を数える。その間の16回のワールドカップ開催年のペナントレースの歴史をひも解き、両リーグの優勝チームを調べると、興味深い結果が導き出された。
祭典開催時に強いのは中日!?
セ・リーグでは、6回の優勝を記録している巨人が最多。V9時代には1966年イングランド大会、1970年メキシコ大会が開催された年に、リーグ優勝している。
もともと優勝回数が多い巨人に対して、少ない優勝回数ながらワールドカップ開催年と相性の良さをみせているのが中日だ。1954年スイス大会開催時を筆頭に、5回のリーグ優勝を記録。特にここ最近の2006年ドイツ大会、2010年南アフリカ大会時には連続してリーグ優勝。今シーズン優勝すれば、巨人に並ぶことになる。
西武が圧倒的も、不気味なロッテ
一方のパ・リーグでは、西鉄時代を含む西武が圧倒的で、過去8回も優勝している。特に1982年スペイン大会、1986年メキシコ大会、1990年イタリア大会の3大会ではリーグ優勝だけでなく、日本一にも輝いている。
不気味なのはロッテだ。1950年ブラジル大会時の毎日オリオンズ時代を含めると、リーグ優勝を3回も果たしている。特に2010年南アフリカ大会時には、リーグ3位ながらポストシーズンを勝ち抜いて日本一を達成。これも含めると、ロッテは過去4回の日本一のうち、ワールドカップ開催年に3度の日本一を達成している。
夏の甲子園優勝校も調べてみた!
ここまできたら気になったので、ワールドカップが開催された年の、夏の甲子園歴代優勝校も調べてみた。そこで目立つのは過去5回優勝している関東勢の強さ。古くは1962年チリ大会で作新学院(栃木)が優勝。最近では1998年フランス大会で横浜(神奈川)が、2006年ドイツ大会では早稲田実業(西東京)が全国制覇を果たしている。
また、関東勢以外では天理(奈良)の相性がよく、1986年のメキシコ大会、1990年のイタリア大会で優勝している。
ちなみに、1962年の作新学院、1966年の中京商(愛知)、1998年の横浜、2010年の興南(沖縄)と、過去7度あった甲子園の春夏連覇のうち4度がワールドカップの年に達成されている。そんな春夏連覇の期待がかかる今年のセンバツで優勝した龍谷大平安(京都)は、今から76年前の第2回フランス大会が行われた1938年の夏の甲子園で、前身の平安中として優勝している。
まだまだ混戦が続く今年のペナントレース。ワールドカップ開催年とリーグ優勝チームの因果関係は、打倒・巨人を目指す中日には"吉報"となるのか。はたまた、巨人の安定感が勝るのか。また、上位浮上を狙うロッテと現在苦戦が続く西武にとっては、文字通り「心強いデータ」となるのか。
実際どのチームが秋にペナントを手にすることができるかは、神のみぞ知るところ。「2014 FIFAワールドカップ ブラジル大会」によるサッカーフィーバーが終わったら、プロ野球に要注目だ。
週刊野球太郎
『週刊野球太郎』では、プロ野球やMLBはもちろん、高校野球や大学野球などのアマチュア野球に関しても、どこよりも詳しくマニアックな情報を発信し続けている。この母体となるのは雑誌『野球太郎』。現在は『中学野球太郎 Vol.4』、『野球太郎No.009 夏の高校野球大特集号』が好評発売中。