ライオンはこのほど、梅雨時に気をつけたい害虫「ダニ」と「カビをエサにする害虫」についての情報を公開した。同社が販売している殺虫剤ブランド「バルサン」の研究を担当している薬品第2研究所の亀崎 宏樹氏が駆除方法を紹介している。
亀崎氏は「虫博士」とも呼ばれ、学生時代に応用昆虫学を専攻して以来30年間、ゴキブリやダニなどの害虫の生態や駆除剤の研究に携わってきた。研究成果を学会で報告するほか、大学での特別講演や、生活者向け講座などで「害虫の生態や駆除方法」についての講演も行っている。
同氏によると、梅雨時はカビの季節というイメージがあるが、害虫の活動が活発になる時期でもあるという。アレルギー疾患の原因として有名な「ヒョウヒダニ」、食品に発生する「コナダニ」は高温多湿の環境を好み、梅雨時に増殖。また、ダニ類をエサにする「ツメダニ」も、エサとなるコナダニが多くなると、増えることもある。
また、昆虫の中には、カビを食べるものも数多く知られている。「その代表がチャタテムシで、屋内の湿度が高い場所(畳、壁紙、貯蔵食品など)に生息し、カビ類や酵母などを好んでエサにします。カビが原因で大発生し、室内に這(は)い出す事例が報告されています」(亀崎氏)。
同氏によると、害虫の発育速度が早くなる梅雨時は、成虫になる速度が早くなるという。増殖率が高まり、大発生する可能性もあることから、適した対策を行い、駆除することが大切と述べている。
「できるだけ乾燥を心がけることが大事です。布団類は、晴れた日にはできるだけ干して乾燥を。布団を干すだけではダニを駆除できませんが、増殖を抑える効果はあります。また、換気をして部屋の湿気を下げることも大切です」。
また、開封したままの食品は、密閉性の高い容器で保存することも重要とのこと。小麦粉や調味料などは害虫の発生源になるため、密閉性の高い容器に入れ、可能なら冷蔵庫に保管することをすすめている。
同氏はさらに「カビを食べる害虫は、コナダニやチャタテムシなど数多く存在します。大発生させないために、カビの掃除をすることも有効です」と、こまめなカビ掃除を呼びかけている。