米Googleは27日(現地時間)、同社が設計した自動運転カーのプロトタイプを公開した。

自動運転カー・プロジェクトのディレクターであるChris Urmson氏によると、プロトタイプはこれまで同プロジェクトで培ってきた自動運転カーの技術を引き出せるように、自動運転カー用に一から設計した。Fiat 500を思わせる丸みのある外観で2人乗り。これはセンサーの死角を無くし、広い範囲でセンサーが正確にオブジェクトを見分けられるようにデザインした結果だ。

Googleが設計した自動運転カーのプロトタイプ

自動運転カー・プロジェクトで、現在Googleが市街地での走行テストなどに使用している自動運転カーはトヨタの車を改造したもので、人による運転も可能になっている。プロトタイプは完全自動運転で、内部にハンドル、アクセルペダル、ブレーキペダルはない。2人分の座席、スタート/ストップ・ボタン、マップなどが表示されるスクリーンがあるのみだ。そのため小さな車体ながら、豊かな空間で快適にドライブを楽しめる。なお、安全性を優先して、最初のプロトタイプは走行速度を最高25マイル/時(約40キロ/時)に制限した。

プロトタイプ(左)と、現在Googleが市街地でのテスト走行に用いている市販車ベースの自動運転カー(右)

Googleはおよそ100台のプロトタイプを製造する計画で、ドライバーによるマニュアル操縦が可能な初期バージョンを使ったテスト走行を今年の夏後半に開始する。順調に進めば、カリフォルニア州において小規模なパイロットプログラムを開始する。Urmson氏は「この体験から多くを学べるだろう。技術開発が期待通りに進めば、この技術の安全な実用化を目指してパートナーとの取り組みを開始する」と述べている。