日本電業工作は5月26日、アクセスポイントに長距離無線LANシステム「FalconWAVE2.4G」、トランシーバにアイコムの無線LANトランシーバ「IP100H」を使ったフィールドテストを行い、半径1008mでの接続試験に成功したと発表した。

無線LANを利用した業務用トランシーバは、無線免許が不要なWi-Fiを利用することで、デジタルでクリアな音質となる。携帯電話などとは異なり、一斉連絡機能で、多人数への即時性のある業務用連絡が可能であり、工場作業者間、イベント会場、結婚式場などの通話機器として人気がある。一方で、従来のWi-Fiアクセスポイントではトランシーバ接続距離が短く、施設などの大型化に伴い、長距離化が必要とされている。さらに、アナログ方式では音質が悪いのに加え、利用チャネルが一致すればだれでも受信できる状態になり、混信や情報漏えいの原因となっていた。また、携帯電話は、工事費や通信料などのランニングコストが課題となっていた。

今回、アクセスポイントに「FalconWAVE2.4G」、無線LANトランシーバにアイコムの「IP100H」という構成により、広域エリア化とともに、一斉呼び出しや、グループ通話機能など双方向・同時通話サービスが可能になった。具体的には、従来のWi-Fiアクセスポイントでは半径150m程度だったが、同アクセスポイントを使うことより半径1008mまでの接続に成功した。従来の40倍以上の屋外広域エリアを構成できる。さらに、隣接Wi-Fiエリアとのローミング機能により、広域エリア化できる。また、太陽電池での自立運用が可能な他、増設するだけで、音声通話がすぐに可能になる。この他、アイコムの専用ゲートウェイ「IP1000C」を設置することにより、一般電話通信網を利用して日本全国のIP電話との通信が可能になる。

日本電業のアクセスポイント「FalconWAVE2.4G」