計測機器大手Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは4月15日、信号生成ソフトウェア「Agilent N7609B GNSS用シグナルスタジオ」の機能を拡張し「WAAS」、「EGNOS」、「MSAS」、「GAGAN」などを含む「SBAS(Satellite-Based Augmentation Systems)」や、日本の準天頂衛星システム「QZSS(Quasi-Zenith Satellite System)」などのリアルタイムシミュレーションに対応したほか、「GPS」、「GLONASS」、「BeiDou(北斗)」バンド内において、最大4つのCW妨害信号を印加する機能を追加したと発表した。

これにより同ソフトと、同社の標準信号発生器「Xシリーズ」あるいは「PXBベースバンド信号発生器」と組み合わせることで、各国・地域の衛星のシミュレーションに対応するリアルタイムGNSS信号の生成が可能になるという。また、固定型受信機向けの静的シナリオ、移動受信機向けの動的シナリオのいずれも作成可能で、理想的な環境のシミュレーションのほか、マルチパス、疑似距離エラー、衛星の捕捉不能、衛星のパワー変化、電離層減衰や大気対流圏減衰、アンテナ効果、CW妨害、AWGNなど、障害がある場合のシミュレーションにも対応するという。

さらに、複数の情報を分かりやすく表示できるシナリオ情報表示により、受信機の観点から見たシナリオ実行状況を容易に把握することが可能。シナリオ情報表示では、衛星がどの位置にあるかを表示することが可能なほか、パワー表示では、見えている全衛星の瞬間パワーを棒グラフで表示し、軌跡表示では、シナリオにおける受信機の軌跡を表示することが可能となっている。

なお、各ソフトの価格は以下のとおり(いずれも価格は税別)。

  • 「N7609B-PFP Advanced GPS real-time and scenario generation」:117万8328円
  • 「N7609B-SFP Advanced GLONASS real-time and scenario generation」:128万787円
  • 「N7609B-UFP Advanced Galileo real-time and scenario generation」:128万787円
  • 「N7609B-WFP Advanced BeiDou real-time and scenario generation」:133万1967円
  • 「N7609B-XFP SBAS and QZSS real-time and scenario generation」:10万3537円
  • 「N7609B-NFP Real-time CW interference signal」:15万3983円
  • 「N7609B-EFP Basic single- and multi-satellite waveforms」:35万7557円

信号生成ソフトウェア「Agilent N7609B GNSS用シグナルスタジオ」のスクリーンショット