Microchip Technologyは4月1日、8ビットマイコン「PIC16(L)F170X/F171X」ファミリを発表した。

「PIC16F170X/171X」ファミリは、アナログ制御ループの駆動、センサ信号の増幅、基本的な信号コンディショニングに使える2つのオペアンプを内蔵し、システムコストと基板面積を削減する。さらに、ゼロクロス検出器(ZCD)を内蔵し、トライアック制御が簡単に行える他、スイッチングトランジェントによるEMIも最小限に抑えられる。また、ペリフェラルピンセレクトに対応し、多くの周辺機能のピン割り当てを柔軟に変更できる。家庭用電化製品、電動工具、電気シェーバ、血圧計、血糖値測定器、歩数計、LED照明、バッテリ充電、電源、モータ制御など、幅広いアプリケーションに最適となっている。

具体的には、構成可能なロジックセル(CLC)、相補出力ジェネレータ(COG)、数値制御オシレータ(NCO)などのコアから独立した周辺モジュールを内蔵している。これらの自律的な周辺モジュールは、CPUによるコード実行または管理なしに動作を維持してタスクを処理できるよう設計されており、性能をこれまで以上に高めることができる。このため、複雑な制御システムを簡単に実装でき、機器設計の自由度が向上する。CLCを使用すると、各アプリケーションに固有のカスタムロジックと相互接続を作成できるため、外付け部品の削減とコードサイズの縮小を図りながら機能を追加できる。COGは、相補波形を生成できる強力な波形ジェネレータで、位相、デッドバンド、ブランキング、非常シャットダウンステート、エラーリカバリストラテジなどの主要なパラメータをきめ細かく制御できる。制御および電源アプリケーションなどにおいて、ハーフブリッジまたはフルブリッジドライバでFETを駆動すると、基板面積と部品コストを節約して低コストソリューションを実現できる。NCOは、<1Hz~500kHz超のレンジに対応したプログラマブルな高精度リニア周波数ジェネレータで、照明制御、トーンジェネレータ、無線チューニング回路、蛍光灯バラストなど、高精度なリニア周波数制御が要求される回路設計において高性能化と簡略化を両立する。

この他、最大28KBの自己読み書きフラッシュプログラムメモリ、最大2KBのRAM、10ビットA/Dコンバータ(ADC)、5/8ビットD/Aコンバータ(DAC)、キャプチャコンペアPWMモジュール、スタンドアロン10ビットPWMモジュール、応答時間60ns(typ.)の高速コンパレータに加え、EUSART、I2CTM、SPIインタフェースモジュールを内蔵。これらのデバイスはXLP(eXtreme Low Power)テクノロジに対応しており、動作時電流を35μA/MHz(typ.)、スリープ時電流を30nA(typ.)に抑えることで待機電流の低減とバッテリ寿命の延長を実現する。

開発では、「PICkitTM 3(PG164130)」、「MPLAB ICD 3(DV164035)」、少ピンデモボード「PICkit 3(DM164130-9)」、ラボ開発キット「PICDEMTM(DM163045)」、「PICDEM 2 Plus(DM163022-1)」などの標準開発ツールが利用できる。シームレスで理解しやすいCコードを生成してユーザのプロジェクトに挿入する無償ツール「MPLAB Code Configurator」も用意されている。同ツールは、現在「PIC16F1704/08」をサポートしている。4月中に「PIC16F1713/16」、その後、同ファミリの全品種をサポートする予定。

なお、「PIC16(L)F1703/1704/1705」は4mm×4mm×0.9mmサイズの14ピンPDIP/TSSOP/SOIC/QFNパッケージ、「PIC16F1707/1708/1709」は4mm×4mm×0.9mmサイズの20ピンPDIP/SSOP/SOIC/QFNパッケージ、「PIC16F1713/16」は6x6x0.9mm28ピンPDIP/SSOP/SOIC/QFN、4mm×4mm×0.5mmサイズのUQFNパッケージで、サンプルおよび量産出荷を開始している。「PIC16F1718」は6mm×6mm×0.9mmサイズの28ピンPDIP/SSOP/SOIC/QFNパッケージ、4mm×4mm×0.5mmサイズのUQFNパッケージ、「PIC16F1717/19」は5mm×5mm×0.5mmサイズの40/44ピンPDIP/TQFP/UQFNパッケージで、2014年5月よりサンプルおよび量産出荷を開始する予定。製品はいずれも1万個単位で提供される。

Microchipの8ビットマイコン「PIC16(L)F170X/F171X」ファミリ