「今回の派遣法改正案では専門26業務と自由化業務の区分がなくなります。このことで影響がありますか?」(n=639)

アイ・アム&インターワークスはこのほど、「労働者派遣法改正案について」のアンケート調査結果を公表した。質問は、1月29日に厚生労働省労働政策審議会より発表された「労働者派遣制度の改正について(報告書-案)」の内容に基づく。

同調査は、派遣で働いている人を対象に、2月19日から25日にかけてインターネットで実施。639人の有効回答を得た。

専門26業務と自由化業務の区分の撤廃

「専門26業務と自由化業務の区分がなくなる」ことについて、その影響をたずねた。「影響がある」との回答が22.1%、「影響がない」が27.7%、「専門26業務と自由化業務の差がわからない」が50.2%という結果となった。

その理由として、「専門26業務で派遣されていたため、3年経過後に本当に次の仕事が決まるかわからないので不安」が38.4%。「これまで専門26業務で派遣されていたので、最長3年で新たな職場に移らなければならない点が負担に感じる」が28.1%。「全ての派遣スタッフの雇用期間が最長3年となる点が、分かりやすい」が22.7%となった。

派遣期間上限の変更

「派遣期間の上限が"1業務あたり3年"から"1人あたり3年"に変更される」ことについて聞いた。「賛成」が45.2%、「反対」が54.8%で、変更内容5項目中、唯一否定的な意見が半数を超える結果となった。

「派遣期間の上限が"1業務あたり3年"から"1人あたり3年"に変更される予定です。このことについて賛成・反対ですか?(n=639)

理由として「業務の知識が浅くなる」が31%で多かった。その反面肯定的な理由として「どの派遣先でも最長3年間働けるようになる点がわかりやすい」が25%、「自分のスキル次第で3年間同じ職場で働けるので良い」が19%となった。

派遣期間終了後の処遇

「3年の派遣期間終了後に"派遣先の正社員としての直接雇用依頼"、"新規派遣先の紹介"、"派遣会社での無期雇用"のいずれかを行うことが義務化される」ことについて聞いた。「賛成」が67.6%、「反対」は32.4%となった。

「3年の派遣期間終了後"派遣先の正社員としての直接雇用依頼"、"新規派遣先の紹介"、"派遣会社での無期雇用"のいずれかを行うことが義務化される予定です。このことについて賛成・反対ですか?」(n=639)

理由としては、「本当に次の仕事が決まるように派遣会社が動いてくれるかわからないので不安」という否定的な理由が21.8%で最も多かった。一方、「派遣先に直接雇用に切り替えてほしい旨の交渉をしてくれる」(18.5%)、「派遣会社に無期雇用してもらえる」(13.8%)と、直接雇用の機会が増えることへの肯定的な理由が多い結果となった。

派遣会社に国の許可制

「すべての派遣会社に国の許可を義務付ける」ことについては、「賛成」が81.7%、「反対」が18.3%となった。「悪質な派遣会社が淘汰されて安心できる」(66.6%)と肯定的な理由が多い反面、「更新を怠る派遣会社がでてきそうで不安」(26.1%)と、ルールが守られない場合を不安視する理由もあった。

「すべての派遣会社に国の許可を義務付ける予定です。このことについて賛成・反対ですか?」(n=639)

派遣会社にキャリア形成支援の義務付け

「派遣会社にキャリア形成支援の取り組みを義務付けられる」ことについては、「賛成」が82.6%、「反対」が17.4%で変更内容中、肯定的な意見が最も多かった。「教育制度の内容や充実度によって派遣会社を選べる」(25.6%)、「派遣から正社員に変更できる機会が増えるのでキャリアアップにつながる」(23.9%)とメリットを感じている人が多い結果となった。

「派遣会社がキャリア形成支援の取り組みを実施することになる予定です。このことについて賛成・反対ですか?」(n=639)

法改正の認知と改正案で最も影響を受ける内容

「改正されることを知っているかどうか」については、「知っている」が26.8%、「知っているが、改正案の内容をあまり知らない」が46.9%、「知らない」が26.3%となった。 また、「知っている」と回答した人が最も影響を受ける変更内容は、「派遣期間」で33.3%、次いで「派遣から抜け出す機会を失ってしまいそう」が28.7%、「専門26業務と自由化業務の区分がなくなること」が14.0%という結果になった。

「あなたは2015年4月から労働者派遣法が改正される予定であることを知っていますか?」(n=639)