ラピスセミコンダクタは2月25日、車載、産業機器向け高信頼性DRAMシリーズとして、出力ドライバビリティ調整機能を搭載した128/256MビットSDRAM「MD56V72160C/82160A」2品種を発表した。

中・小容量SDRAMの用途の1つである車載機器システムでは、動作時に発生する輻射ノイズが高周波数帯域などへ影響を与えるため、システムの品質向上にとって輻射ノイズの低減が重要な課題となっていた。この課題を解決するため、ラピスでは、SDRAMの動作時に発生する輻射ノイズの低減、インピーダンスマッチングによるリードデータ出力波形の特性改善のため、リードデータ出力時の電流駆動能力を3段階に変更する出力ドライバビリティ調整機能を従来品の16M/64MビットSDRAMから搭載した。同機能は車載分野で評価されており、より大容量を必要とする用途への適用拡大のため、128M/256MビットSDRAMを開発したという。

今回の出力ドライバビリティ調整機能は、拡張モードレジスタセットにより4段階のドライバビリティ設定が可能。同機能により、ユーザーシステムに対応した電流駆動能力の最適化を実現し、輻射ノイズの低減、輻射ノイズ対策部品の削減に寄与する。また、出荷時固定仕様のドライバビリティ設定で提供可能であり、既存のSDRAMコントローラを使用したままでも、拡張モードレジスタをセットすることなく、最適な出力ドライバビリティ設定の製品を使用できる。

また、車載機器分野における基板とのはんだ接続性の高い信頼性要求をクリアするため、接続信頼性に優れる銅(Cu)リードフレームを採用。従来の42アロイのリードフレームと比べ、基板の熱膨張係数と近いため、はんだ接続信頼性が向上し、自動車メーカーが要求する基板実装状態での熱膨張サイクル基準をクリアしている。はんだウィスカ不良の発生も同時に抑制する。

さらに、車載品質、およびKGD(Known Good Die)保証によるチップ販売に対応するため、ユーザーの要求品質に合わせたテスト工程にカスタマイズ対応する。

なお、パッケージは54ピンTSOP。サンプル価格は「MD56V72160C」が360円(税別)、「MD56V82160A」が520円(税別)。すでにサンプル出荷を開始しており、3月より月産100万個体制で量産出荷を開始する予定。

ラピスの車載/産業機器向け高信頼性128/256MビットSDRAM「MD56V72160C/82160A」