ジェイズ・コミュニケーション(以下、ジェイズ)とインドのCyberoam Technologies(以下、Cyberoam)は2月17日、Cyberoamが提供するUTMの販売に関して国内初の代理店契約を締結したと発表した。同日より、中堅、中小企業向けアプライアンス「Cyberoam NGシリーズ」の販売を開始していく。

Cyberoam Technologies 上級副社長のHarish Chib氏

Cyberoamは、世界125カ国で6万5000社以上の顧客を抱える企業。UTMベンダーとしては、トップ3に入る売上シェアを誇る。パートナーを通じて販売を展開しており、グローバルのパートナー数は5500社に上る。国内では、バリオセキュア・ネットワークスが2012年よりOEM製品の提供を行っている

今回ジェイズが販売を開始したCyberoam NGシリーズは、以下の9つの機能を標準搭載したUTMになる。

  1. ステートフル・インスペクション・ファイアウォール
  2. アプリケーションの可視化と制御
  3. アンチウィルス
  4. アンチスパム
  5. IPS(不正侵入防止)
  6. Webフィルタリング
  7. VPN
  8. 帯域制御
  9. マルチリンク管理

これらの設定を、「Layer 8」と呼ばれる技術により、ユーザーと関連付けて細かく行える点が大きな特長となっている。

「例えば、一般ユーザーはWebブラウザ以外のアプリからFacebookへアクセスするのを禁止するといったかたちで、ユーザー属性やアプリ、Webサイトの情報を判断して、アクセス制御をかけることができます。また、中心機能はUTMですが、例えば、CEOは6Mbps、一般ユーザーは2Mbpsといったかたちで帯域制御も行えます。また、13時~18時まではYouTubeの利用を禁止するなど、時間帯で制限をかけることも可能です」(Cyberoam Technologies 上級副社長のHarish Chib氏)

アプリ、ユーザー、帯域、時間を制御することができる

ユーザーごとに細かく利用制限をかけることも可能

加えて、ネットワーク利用状況を見やすく表示するレポート機能も充実している。Cyberoam NGシリーズでは「1200種類以上のレポートが用意されている」(Chib氏)と言い、従業員のWeb利用状況を細かく把握することが可能。さらに、冗長化構成にも対応しており、アクティブ-アクティブ、アクティブ-スタンバイの双方を容易に実現できるという。

1200種類以上のレポートが用意されている

ジェイズ・コミュニケーション 代表取締役の愛須康之氏

ジェイズ 代表取締役の愛須康之氏は、Cyberoam NGシリーズのメリットの1つとして上記9つの機能を有効にしてもパフォーマンスが落ちないことを挙げる。

「これだけの機能を滞りなく稼働させられるアプライアンスは珍しい。他社製品の中には、2つ3つ有効にしただけで落ちるものもあります」

Cyberoam NGシリーズの価格は、「詳細は公表していないが、驚くほど安価」という。ジェイズでは、初年度1億円という売上目標を掲げている。

なお、Cyberoamは2月10日に米Sophosによる買収に合意したことも発表している。