JR東日本は8日、鉄道事業法第28条の2 第5項にもとづき、国土交通大臣に岩泉線の廃止日を繰り上げる旨の届出を行ったと発表した。廃止日は2014年4月1日となる。

岩泉線の終点、岩泉駅(2007年撮影)

同路線は2010年7月31日に押角~岩手大川間で発生した脱線事故(線路上に堆積した土砂に乗り上げ、列車が脱線。乗客3名、乗務員2名が負傷)で運転見合わせとなり、バス代行輸送が実施されてきた。列車の安全運行の確保に多大な費用と時間を要することに加え、利用者の減少が続き、2009年度の1日あたりの平均通過人員はJR発足時(1987年度)の約1/4に。JR東日本は鉄道としての復旧を断念し、廃止の方針を表明していた。

岩泉線の鉄道事業廃止の届出は昨年11月8日に行われた。その後、12月19日に東北運輸局による関係者への「公衆の利便の確保に関する意見の聴取」を実施。1月7日に、国土交通大臣から廃止日を繰り上げても良い旨の通知を受領し、これを受けて廃止日繰上げの届出を行ったという。なお、4月1日から運行開始する代替バスについては、「改めてお知らせいたします」(JR東日本)とのこと。