米Appleが今年前半に地図情報サービス企業を買収していたことが話題になっている。9 to 5 Macによれば、同社は今年2013年前半にBroadMapという企業を、つい数カ月前にはCatchというEvernoteのライバルにあたる企業を買収しており、密かに自社サービスの強化を進めていたという。BroadMapは地図サービスそのものを提供する企業というよりも、地図作成に必要な各種ツールや分析技術を持つ企業で、サービスとしての信頼性がまだまだ低いApple Mapsの精度改善に役立てるのではないかとみられている。

BroadMapウェブサイト

Appleはここ数年、積極的に企業買収を進めて自社のサービス拡充に努めているが、一方でその買収は一部の名前が伝えられるのみで、買収されても知られることのない企業というものも多かった。今回9 to 5 Macが伝えたBroadMapもその1つで、すでに今年前半に買収が行われており、同社サイトにアクセスしても、1年前の更新で止まったままの状態だ。サイトからわかる範囲の情報で判断すれば、地図情報を必要とする企業に対して各種ツールや情報セット、地図統合に関する技術を提供するサービス企業のように見える。同誌によれば、買収はBroadMapのソリューションを必要としていたというよりも、同社の技術者を引き抜くことが目的だったと関係者の話を伝えている。

なお、All Things DigitalのIna Fried氏によれば、Appleが獲得したのは同社の技術者とその技術バックグラウンドで、会社やそのブランドネームではないという。つまり9 to 5 Macが伝えたように、結果的には技術者を引き抜いて傘下に収めた形となっているが、会社そのものを買収したわけではないというわけだ。