NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]は、ワーク・イン・プログレス形式で新たな都市像を考える「磯崎新 都市ソラリス」展を開催する。開催期間は12月14日~2014年3月2日(月曜、月曜が祝日の場合の翌火曜、12月28日~1月3日、2月9日は休館)。開館時間は11:00~18:00(入館は閉館の30分前まで)。入場料は一般・大学生500円、高校生以下は無料。

磯崎新《海市計画(模型)》1996年制作 撮影: 高瀬良夫

「Run after Deer!」(パラッツォ・ベンボ、ヴェネツィア建築ビエンナーレ、2012年) シグネチャーズ 撮影: 松田達

同展は、1997年に開催されたICCのオープニング企画展「海市―もうひとつのユートピア」を監修した建築家・磯崎新を再び迎えて、これまでの都市デザイン、アーキテクチャ論を超える新たな都市像を考える場として企画されたもの。1960年代から現在に至るまで、磯崎が手がけてきた都市計画プロジェクトの変遷をたどりながら、複数の参加者の介入によって変化していくワーク・イン・プログレス形式で展開される。舞台となるのは、2012年の「Run after Deer!(中原逐鹿)」展(ヴェネツィア建築ビエンナーレ)でも取り上げられた、現在、中国で進行中の磯崎の最新のプロジェクト「鄭州都市計画」だ。

また、中国の伝統行事や季節に合わせて水上イベントの開催を構想している「水上慶典広場」の模型を舞台として、演出家の高山明(PortB)、建築グループのダブルネガティヴス アーキテクチャー(dNA)、アーティストの平川紀道、ライゾマティクスらのインスタレーション作品によって祝祭空間としての都市を提案する(会期中2~3回程度の展示替えを行う予定)。その他、磯崎とゲスト建築家によるワークショップやディスカッションなどを通じて、会期中さまざまにその様相を変えていくことになっており、高度情報化時代における"動的な"都市像を模索する。

なお、磯崎新は1931年大分県生まれの建築家。1954年に東京大学工学部建築学科を卒業後、丹下健三に師事し、同大学院博士課程修了。1963年、磯崎新アトリエを設立。以来、国際的建築家として活躍しているほか、世界各地で建築展や美術展を開催し、国際的なコンペティションの審査委員、シンポジウムの議長などを多く務めている。2013年、過去50年間に執筆した文章を編集した「磯崎新建築論集」(岩波書店)を刊行。