説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「iPhoneではUSB機器を使えないの?」という質問に答えます。

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iPad向けに販売されている「iPad Camera Connection Kit」または「Lightning - USBカメラアダプタ」を利用すると、iPadで一部のUSB機器を利用できるようになります。接続できるのは消費電力が小さいUSB機器に限定されますが、デジタルカメラで撮影した写真をiPadに取り込みピンボケの有無をチェックする、フォトストレージとして利用する、といった用途に適した周辺機器といえます。

しかし、「iPad Camera Connection Kit」と「Lightning - USBカメラアダプタ」はiPhoneでは基本的に利用できません。コネクタの形状さえ一致すれば接続自体は可能ですが、iPadでは支障なく使用できるUSB機器も「デバイスを使用できません」と表示されてしまいます。ですから、iOS標準の機能としては、iPhoneをメモリカードリーダやフォトストレージとして活用することはできない、と考えていいでしょう。

この仕様は、電流不足というハードウェアの制約はあるものの、ソフトウェアレベルで制限をかけていることが直接的な理由と考えられます。というのも、iOS 7からはUSB Audio限定ではあるものの、iPhoneからの出力が可能になったからです。

たとえば、iOS 7がインストールされたiPhoneに「iPad Camera Connection Kit」または「Lightning - USBカメラアダプタ」を挿し、そこにUSB-DACなどのオーディオ機器(バスパワー駆動の製品は動作しません)を接続すれば、iPhone上で再生した音楽をデジタル出力することが可能です。つまり、「iPhoneではUSB機器を使えないの?」という質問に対する答えは、「オーディオ機器など一部のUSBデバイスに限り利用可能」ということになります。

写真で解説

「iPad Camera Connection Kit」経由で接続したiPadでは支障なく読み取りできていたデジタルカメラも、iPhoneでは「デバイスを使用できません」とされてしまいます

iOS 7からは、USB AudioにかぎりiPhoneからの出力が可能になりました