10月1日~5日まで千葉県・幕張メッセで開催されているCEATEC JAPAN 2013。NHK/JEITAブースでは、次世代放送規格の「8K SUPER Hi-VISION」などが展示されていた。
8K SUPER Hi-VISIONは、NHKが中心となって研究開発を進めている放送規格。現在のハイビジョン規格(1920×1080)のおよそ16倍となるスーパーハイビジョン(7680×4320)が規格化されている。
また、映像だけではなく、音響システムも拡張されており、現行の5.1chサラウンドから、22.2chマルチチャンネルの三次元音響となる。
ブースでは、昨年末に行われたNHK 紅白歌合戦の映像を放映。北島三郎やきゃりーぱみゅぱみゅ、AKB48といった歌手を8Kで撮影した映像と、22.2chマルチチャンネルサラウンドシステムによる音響を楽しむことができる。
残念ながら8K映像の撮影は禁止となっていたため画像をお見せすることはできないが、100インチオーバーの大画面でありながら、8K撮影によるきめ細やかな映像には心奪われるものがあった。背景の照明一つ一つまで細かく認識することができ、AKB48の映像では、最後部で踊っているメンバーの顔も判別することが可能。ぜひ、会場に足を運んで体験して欲しい。
4Kおよび8Kの放映は、2020年をメドに視聴環境の整備を行う予定だという。「2020年は東京オリンピックもあり、なんとしてでも放映できるように頑張りたい」(説明員)としていた。
4K放送については、すでに対応テレビが登場しており、CATVも含めた放映の枠組みが想定されている。HDMIが"HDMI 2.0"で4K映像の正式サポートを果たしたが、これらの対応状況も含めて、来年以降4Kソースのコンテンツ拡充が期待できるとしている。
NHK Hybridcastで放送と通信の融合
また、NHKでは9月2日よりサービスの提供を開始した「NHK Hybridcast」の展示を行っていた。NHK Hybridcastは、放送と通信を連携させた新しいテレビサービス。対応テレビでは、リモコンのdボタンを押すだけでNHK Hybridcastが起動できる。
個々の番組とは別に最新のニュースや生活情報を確認できるが、この場合は通常のdボタンメニューと同じ仕様だ。
NHK Hybridcastでは、タブレット端末などに専用アプリをダウンロードすることでテレビと連動して遊ぶことができる機能や、マルチビューカメラ、多言語表示といった機能が提供される。セカンドスクリーンとしてタブレット端末を活用していこうという取り組みだ。
ほかにも、放映中の料理番組に合わせてレシピをタブレットに表示するといった連動も検討されている。
また、NHK以外にもHybridcastの活用例が紹介しており、北海道テレビ(HTB)がウェアラブルデバイスを活用してアナウンサーと心拍数をシンクロさせることで、プレゼントがもらえるといった新しい取り組みをデモンストレーションしていた。