ルネサス エレクトロニクスは9月24日、同社SRAMの主力製品である「Advanced Low Power SRAM(Advanced LP SRAM)」に110nmプロセスを採用した4Mビット品として「RMLV0416Eシリーズ」「RMLV0414Eシリーズ」「RMLV0408Eシリーズ」の3シリーズ12品種を開発したことを発表した。

Advanced LP SRAMは、メモリセルの記憶ノードにキャパシタを付加し、ソフトエラー耐性を高めるなど、ソフトエラーの発生そのものを抑制する構造的対策を講じることで、実質的にソフトエラーフリーを実現したSRAM製品で、3シリーズは110nmプロセスを採用しながらも、150nmプロセスを採用している従来品と同等のソフトエラー率を実現することに成功しているほか、25℃時のスタンバイ電流2μAを実現しており、バッテリなどでデータを保持する用途などに適していると同社では説明している。

また、SRAMセルのロードトランジスタ(Pチャネル)をpoly-Si TFTで形成し、シリコン基板上に形成されたNチャネルMOSトランジスタの上層に積層することで、下地のシリコン基板上にNチャネルトランジスタのみを形成。これによりメモリ領域内での寄生サイリスタ構造を存在させずに済み、原理的にラッチアップが発生しない構造となっている。

さらに、同SRAMはSRAMのpoly-Si TFT積層技術とスタックトキャパシタ技術の融合により、セルサイズの小型化を実現しているため、110nm Advanced LP SRAMのセルサイズは65nmプロセスによるFull CMOSタイプと同程度だという。

なお、3シリーズは2013年11月から順次サンプル出荷を開始する予定で、サンプル価格は630円。同12月より本格量産を開始する予定とするほか、今後、110nmプロセス採用品を8Mビットから64Mビットまでラインアップの強化を図っていく予定としている。

ルネサスの110nm Advanced LP SRAM「RMLV0416Eシリーズ」「RMLV0414Eシリーズ」「RMLV0408Eシリーズ」