Googleは9月4日、東日本大震災の被災地である岩手県や宮城県沿岸部で撮影したストリートビュー画像を更新し、あわせて福島県の避難指示区域を含む大熊町や双葉町などのストリートビューを新たに公開した。福島県では、今回の追加で12市町村の様子がストリートビューで見ることができ、福島第一原子力発電所の正門付近の風景も撮影されている。

福島第一原子力発電所の正門付近 [提供:Google]

ストリートビュー撮影車 [提供:Google]

Googleは、被災地の様子を2011年7月から撮影を開始し4万4000kmにわたって撮影したストリートビューを同年に公開したほか、被災した建造物を震災遺構としてアーカイブする「震災遺構デジタルアーカイブプロジェクト」などの取り組みを行っている。今年の3月には、原発事故による立入制限区域を含む地域で撮影を行った福島県浪江町のストリートビューを公開した。

今回、ストリートビューの画像が更新されたのは、岩手県の6市町、宮城県の11市町、福島県の12市町村(新規追加を含む)、茨城県の6市町村。福島県の川俣町、富岡町、田村市については、今後、撮影と公開を行う予定だという。被災地を撮影したストリートビューが更新されるのは、今回が初めてとなる。

Googleでは東日本大震災前に、宮城県を中心に東北の一部地域のストリートビュー撮影を行っており、この地域では、震災前、震災直後(2011年7月から2012年4月撮影)、そして今回の再撮影(2013年4月から8月撮影)の移り変わりを見ることができる。

宮城県南三陸町 志津川BRT(2008年 / 2011年 / 2013年) [提供:Google]

宮城県岩沼市早股前川(2008年 / 2011年 / 2013年) [提供:Google]

これらの撮影画像は「未来へのキオク」で公開されており、この中から宮城県岩沼市や石巻市、南三陸町などの移り変わりをまとめたページも公開されている。なお、Googleマップのストリートビューは「最新のものを届ける」という性格上、今回再撮影された画像に差し替えられるという。

震災遺構の姿を撮影公開する「震災遺構デジタルアーカイブプロジェクト」では、「岩手県陸前高田市高田松原(奇跡の一本松)」「宮城県東松島市 鳴瀬第二中学校」「宮城県塩竈市 松亀園」の3カ所が新たに公開された。

また、Googleが迅速な災害情報の提供を目的として締結している自治体とのパートナーシップでは、新たに静岡県、埼玉県さいたま市、岐阜県土岐市の3自治体との協定を結び、提携する自治体数は26となった。