ザインエレクトロニクスは、車載向けTFT-LCDの表示制御用LSI(TCON:Timing Controller)を開発し、同市場に参入すると発表した。

車載市場は、広範囲の温度保証に代表されるように、民生機器市場以上に優れた品質水準が求められる。一方、車載用TFT-LCDの解像度は従来一般的だったWVGA(800×480画素)クラスから、今後はフルHD(1920×1080画素)以上へと高精細化が進むと見られる。そこで、同社では、これまで培ってきた表示制御技術と高速インタフェース技術を生かし、高解像度化のトレンドを踏まえた表示制御用LSIの第1弾として、TCONの新製品を今期中をめどにサンプル出荷を開始することにした。

ザインの車載用TCONシリーズは、高速インタフェース技術を用いて大容量データの入力を受け、表示制御信号をLCDドライバ向けに出力する。従来から広く活用されているドライバ技術をサポートするだけでなく、高速性能を求めるハイエンド製品ユーザー向けに、V-by-One技術を応用した革新的な高速ドライバインタフェース「eDriCon」を開発し、1.2Gbpsの高速伝送を実現した。

"eDriCon"は、画像データを伝送する信号線に、クロック(画像データの動作時点を特定する情報)を重畳させて伝送することにより、ケーブル本数を大幅に削減することが可能。フルHDの高精細画像に対応しながら、従来のドライバ技術では、24対必要とされたドライバインタフェースケーブルが1/6の4対のみで送受信可能であり、コスト削減および配線スペースの削減に寄与するという。

ザインの車載向けTFT-LCDの表示制御用LSI(TCON)