Freescale Semiconductorは、白物家電やモータ制御用ファン、業務用コンバータなどの産業アプリケーション向けにARM Cortex-M0+(動作周波数20MHz)を搭載した5V電源対応32ビットマイコン「Kinetis Eシリーズ」を発表した。

同シリーズの初めてのラインアップとなる「Kinetis KE02」は、2.7V~5.5Vの電源電圧動作および-40℃~+105℃の周辺動作範囲を実現しているほか、電磁気適合性(EMC)と静電放電(ESD)に対する保護機能を搭載しており、欧州で義務付けられている家電向け安全規格IEC 60730 class Bに準拠した製品開発が可能だという。

また、32ビット×32ビット演算を1サイクルで実行する乗算器、1サイクルアクセスのI/Oポート、最大64KBのフラッシュメモリ、256バイトのEEPROM、最大4KBのRAMなどを搭載しているほか、64ビットのチップIDコードによるセキュリティなども搭載されている。

Kinetis Eシリーズの概要とKinetis KE02の機能ブロック

製品ラインアップとしては、4種類のパッケージオプション(0.8mmピッチの64QFP、0.5mmピッチの64LQFP、0.8mmピッチの44LQFP、0.8mmピッチの32LQFP)とフラッシュメモリの容量(64KB/32KB/16KB)の組み合わせによつ10製品が用意。すでに一部製品が出荷を開始しており、2013年10月までに全製品が出揃うことが予定されている。

Kinetis KE02のシリーズラインアップの概要と価格

価格は1万個購入時で0.78ドル(参考価格)から、となっている。また、同マイコンを搭載した12.95ドルの開発プラットフォーム「Freedom」も用意されており、PCとUSBケーブルで接続するだけで簡単に評価を行うことが可能となっているほか、加速度センサやタッチパッドと組み合わせた評価なども可能となっている。

Freedom(左画像の下側)とBLDCモータアプリボードを組み合わせた3相ブラシレスDCモータ制御のデモ環境。ソフトウェアにはFreeMasterモータアプリ開発ツールが用いられる

加えて、横河ディジタルコンピュータが提供するオンボードフラッシュプログラマ「NETIMPRESS next」がKinetisシリーズ(L/W/M/Eシリーズ各種)に対応したことを併せて発表しており、これを用いることで、カスタマはフラッシュ書き込み工程の選択肢を広げることが可能になるほか、EOLP(End of Line Programming)も可能になるという。こちらは2013年9月より提供開始予定で、購入方法などは横河ディジタルコンピュータへ問い合わせてもらいたいとしている。

KinetisシリーズにおけるKinetis Eシリーズの立ち位置