7月6日に公開されたアニメーション映画『劇場版銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ』の舞台あいさつが20日、都内で行われた。
公開初日には主演キャスト、先週には真選組メンバーの舞台あいさつが行われてきたが、今回は桂小太郎役の石田彰、志村妙役の雪野五月、猿飛あやめ[さっちゃん]役の小林ゆう、柳生九兵衛役の折笠富美子、月詠役の甲斐田裕子、そして藤田陽一監督が登壇。まず、約7年続いたTVシリーズについて、人気キャラの攘夷志士・桂を演じる石田は「7年といえば、入学したての小学生が卒業するくらいの年月」と表現しながら、銀魂ファンにはすっかりおなじみとなった「ヅラじゃない、桂だ」の名台詞になぞらえて「桂は、生まれたときから桂だったんでしょうね。『オギャーじゃない、桂だ』くらいのことを言って生まれてきたと思う。今回も5年後の未来のキャラではありますが、5年経ったからといって変わるキャラクターじゃない」と話し、会場の爆笑を誘った。
そして、雪野は「石田さんと私の間に中井(和哉)さんがいることが多かった」とアフレコ時の立ち位置について触れ、石田は「7年間、雪野さんにいじられている中井さんをみながら、僕もちょっとずつ参加できるようになった。成長したと思います。でも、中井さんの気持ちになるとかわいそうかも……」と冗談交じりに話すと、雪野は「中井さんも心の中では喜んでいましたよ。仲良くさせていただきました(笑)」と7年間続いた仲間たちとの思い出を振り返った。また、折笠は「(回数を重ねるうちに)だんだんピー音にも慣れてきました。それくらい私もたくましくなりました」、甲斐田も「月詠は登場したころは真面目だったんですが、だんだんギャグが多くなって……」と演じたキャラクターの変化を語ると、藤田監督が「全キャラが通る道です(笑)」とアニメ『銀魂』ならではの洗礼であることを明かしていた。
本作について、甲斐田は「ギャグ要素もあったけど、感動的なシーンもあって。冒頭のシーンはさすが『銀魂』だなと度肝を抜かれました」と絶賛。小林は「みんなで涙したり一生懸命戦ったり、心をすごく揺さぶられた」と語り、「いつもはお妙とものすごい罵り合いをしているけど、今回のやりとりはすごく大きなことだった」といつもと違うお妙とさっちゃんの関係に感慨深げの様子。藤田監督は「空知先生からネームが上がってきて、その都度こちらもリクエストした」と物語の構成を明かしながら、「普段ボケることが多いさっちゃんに泣かされるというのも意外でしたし、空知先生ならではの物語ができたと思う」と自信を覗かせた。
本作は『完結編』というタイトルが示すとおり、アニメ『銀魂』のラストが描かれ、劇中ではこれまで一切語られることのなかった真実が明かされるが、石田は「(TVシリーズでは)終わるという発言で、ここまで何度も引っ張ってきました。これでひとまず幕を下ろすけど、今後の活躍はジャンプで見続けて。みなさんの心の中に『銀魂』は生きているんですよ」とファンにメッセージ。これに対し折笠も「完結篇なんだよと言っても、万事屋の日常はずっと続いていくんだろうなと思います。これからも温かく見守ってください。この映画で『銀魂』ワールドを味わっていただけたらなと思います。」と話し、甲斐田は「月詠という役に出会ってギャグもやらせていただきました。この作品が好きで、銀さんが好きで、学ぶことも多々ある作品でした。時事ネタなども盛り込んでいる作品なので、見返すとこんなことがあったんだなというのが分かります。シリーズを見ながら思いながら次を待つのはいかがでしょう」と次作への期待を寄せる。本作で「これ以上ないというほど出し切りました」という藤田監督も「毎回『終わる終わる』と言われていたが、そのたびに今回がゴールだと思ってがんばったら、ゴールテープを引き延ばされてここまで来た感じ。今回も映画がヒットしてそういうことになったら、また困りながらもがんばります」と真摯に語り、締めくくった。
(C)空知英秋/劇場版銀魂製作委員会