2010年に提供終了となったiOS用のVLCメディアプレーヤーが「VLC for iOS」として復活すると報じられている。オーストラリアとニュージーランドのApp Storeでバージョン2.0.1の配信が始まっており、MacRumorsによるとまもなく他の地域のApp Storeでも入手できるようになる。

オープンソース系のメディアプレーヤーであるVLCは、幅広いメディアフォーマットをサポートし、また複数のプラットフォーム(Windows、Mac OS X、GNU/Linux、BSDなど)用が用意されている。2010年にiPhone用のVLCがリリースされたが、VLCが採用しているGNUのGeneral Public License (GPL) ではApp Storeの製品利用規約に従った配信が行えなかったため同ストアでの提供が終了になった。Ars Technicaによると、VLC for iOSはGPLv2とMozilla Public License v2 (MPLv2)の下で配布されており、MPLv2はApp Storeでの配信に適用できる。

VLC for iOS 2.0

VLC for iOS 2.0は、iPhoneおよびiPadに対応するユニバーサルアプリで、対応環境はiOS 5.1以上。価格は無料。日本語、英語など9言語をサポートする。MacRumorsによると、VLC for iOS 2.0はファイルにアクセスする機能として、Dropboxとの連携、Webサーバからのダウンロード、Wi-Fiアップロード(VLC for iOSで利用できるようにパソコンのWebブラウザからファイルを転送)などを備える。またパソコンへのネットワークストリーミング、共有ダイアログを通じたサードパーティのアプリとの連係が可能。フィルタを通じて再生時に明るさやコントラスト、色合い、彩度、ガンマなどを調整できる。

オーストラリアのApp Storeのバージョン履歴を確認すると、今年の5月末にバージョン1.0が登録されており、6月30日にバージョン2.0.0にアップグレードされ、そして7月19日にバージョン2.0.1の提供が始まった。Arsなどが報じた時点で日本のApp Storeには登録されておらず、VLC for iOSの提供に関してVideoLANからの公式声明も出ていない。