米Dropboxは7月9日(現地時間)に米カリフォルニア州サンフランシスコで初めて開催された同社開発者会議「DBX」において、Dropbox Platformと呼ばれる同社クラウドサービスの新機能について発表した。構造化データを保存してデバイス間で同期する「Datastore API」、アプリにDropbox上に保存されたファイル領域への簡単なアクセス方法を提供する「Drop-ins」など、今後の同サービスの使い方を変えるものが追加されている。

従来のDropboxではファイルをオンライン保存してデバイス間同期を行う、いわゆる一般的な「クラウドストレージ」の機能が中心だったが、新たに提供される「Datastore API」ではファイルではなく、各種設定やTo-Doリスト、連絡帳など、直接ファイルの形態としては存在していない構造化されたデータ群をオンラインストレージ領域に保存し、デバイス間同期を行う。これにより、あるデバイス上のアプリで行った設定変更や追加データがクラウドを介して自動同期され、それぞれの変更内容をマージした形でつねに最新状態で保たれる。バックエンドでの同期が行われるため、オンライン/オフラインを問わずに最新データを利用できる。最近ではiOSのようなモバイルOSで一般的なファイルシステム構造をユーザーに見せないケースが増えており、それに対応したソリューションだと考えられる。

もう1つのDrop-insは、Dropbox利用の窓口を広げる新しい試みだ。この新機能は「Chooser」と「Saver」という2つの機能として実装されており、それぞれが「(オンライン上の)ファイルの参照と(アプリからの)取得」「オンラインへの保存と(デバイス間での)同期」の役割を持っている。ChooserとSaverはわずか数行のコードを既存アプリに挿入するだけで利用可能で、多くのアプリにオンラインストレージへの保存オプションの1つとしてDropboxを活用してもらうための仕組みだといえる。