米国時間の6月25日にPC用ブラウザ「Firefox 22」の正式版(Windows/ Mac/ Linux)のダウンロードが可能になった。JavaScriptの処理速度を引き上げるサブセット「asm.js」をサポートするモジュール「OdinMonkey」を搭載、WebRTCが標準で有効になっている。

asm.jsはJavaScriptの動的な型付けを規則に基づいて推論しやすくするサブセットで、OdinMonkeyはFirefoxのJavaScriptエンジンをasm.jsに最適化させるモジュールだ。Mozillaの開発者の説明によると、asm.jsとOdionMonkeyを組み合わせた開発版のベンチマーク結果は、従来のFirefoxやChromeよりも圧倒的に速く、ネイティブにコンパイルされたコードと比べても2倍程度の処理時間に収まった。Emscriptenというクロスコンパイラを使うことで開発者はasm.jsを活用でき、これによりプラグインやサードパーティのソフトウエアに頼ることなく、3Dゲームや写真処理など負荷の高いWebアプリケーションを実現できる。

標準で有効になったWebRTC (Real-Time Communications)は、リアルタイムコミュニケーションのためのフレームワークで、プラグインを使わずにブラウザ間の音声通話やビデオチャット、ファイル共有などを可能にする。

これらのほかFirefox 22では、Canvasが非同期にアップデートされるようになり、WebGL描画性能が向上した。またアドオンマネージャーにソーシャルサービスの管理機能が追加された。OS別では、Windows版が画面のスケーリングオプションに従うようになり、高解像度ディスプレイで文字をより大きく表示できるようになった。Mac版では、Dockのアプリケーションアイコンにダウンロードの進行状況が表示されるようになった。HTML5対応は、新たにdata要素とtime要素をサポートする。セキュリティ修正は14件。4件の「重要」を含む。