東京都と東京都環境公社は18日、スマートエネルギー都市の推進に向け、一般家庭および事業所を対象とした補助事業を開始すると発表した。総額約100億円の基金を造成し、複数年にわたり補助を実施することで、エネルギーマネジメントシステムおよび分散型エネルギーの普及拡大を目指すという。

同事業は、電力使用状況を可視化し、需給の効率的な制御によりピーク時の電力消費を抑える仕組みを推進するとともに、低炭素かつ災害に強い都市づくりに向けた分散型電源の普及を目的としている。内容は、家庭向け補助金が1種類、事業所向け補助金が2種類となる。

家庭向け補助金では、HEMS(家庭のエネルギー管理システム)などの導入を条件に、家庭用燃料電池(エネファーム)および蓄電池などに対して補助金を交付する。補助対象と補助額は、コージェネレーションシステム(燃料電池など)が機器費の4分の1(上限22.5万円)、蓄電池システムが同6分の1(同50万円)、ビークル・トゥ・システムは単体が10万円、電気自動車など同時購入時が25万円。

なお、太陽光発電システムを補助対象機器と同時購入する場合、太陽光パネルの発電出力1キロワット当たり2万円を増額して補助を行う。申請期間は2013年度~2015年度。

家庭用燃料電池(エネファーム)、蓄電池等に対する補助金の補助対象と補助額(出典:東京都Webサイト)

事業所向け補助金のうち、オフィスビルなどのコージェネレーションシステムに対する補助金では、BEMS(ビルのエネルギー管理システム)機器の導入を条件に、補助金を交付する。補助対象はコージェネレーションシステム、補助額は設置に要する経費の2分の1(上限3億円)。申請期間は2013年度~2017年度。

中小テナントビル向けのBEMSに対する補助金では、専門のエネルギー管理サービスを提供する事業者(BEMSアグリゲータ)による技術的な支援を受けることを条件に、中小規模のテナントビルオーナーがBEMSを設置する場合に補助金を交付する。補助対象はBEMS、補助額は設置経費の4分の1(上限250万円)。申請期間は2013年度。

なお、いずれの補助金も、国の補助制度と併用することができる。申請受付窓口は東京都環境公社 東京都地球温暖化防止活動推進センター(クール・ネット東京)、受付は28日より開始する予定。